EC用画像の工数・コストを削減
フォトオートメーション(写真撮影自動化)という技術をご存じだろうか。これは誰でも高品質な写真を撮れ、撮影から加工までの作業時間を大幅に短縮できる技術だ。アポロクリエイト(東京都品川区)が提供する「フォトシミリ」は、EC展開する企業などが毎月20社ペースで導入している。
撮影と加工を一体で行える。カメラ撮影もコンピュータ制御で行うため、カメラの知識がないスタッフでも担当できる
フォトシミリは機材の中に商品を入れて簡単な操作を行うだけで、誰でも高品質な写真撮影・編集ができる。被写体の色味により、明るさやシャッター速度など細かな条件設定もしておけるため、「担当者による画像品質のバラつきなく」(鳴海千尋社長)撮ることができる。また画像背景部分を認識した自動切り抜きや、企業ロゴ貼付も行えるためフォトショップ等での加工作業が不要になる。
例えば1商品あたり12カットを撮る場合、撮影に1分、切り抜き加工等が3〜4分程度で済むため、5分程度でECサイトへの商品アップ等に使える写真が完成する。
中古業界での導入事例も多い。約400社(2月上旬時点)中、10%弱が中古品ECを手掛ける企業だと話す。中古品は1点ものゆえに、商品ごとに複数枚撮るという業務負荷がある。だがフォトシミリを活用することでこれを効率化しているようだ。ある中古カメラ業者は、買取センター2拠点に5〜6台を導入し、日々集まる商品をどんどん撮影・画像加工。これを2人体制で回していると言う。
機材は購入もできるが、リースも可能だ。大きさにもよるが、1台あたり月額数万円程度で済む。従来のように撮影、加工など専任者を置くことなく一連の作業をこなせるため、人件費圧縮にも繋がる。
それに加え、売上アップにも効果があると言う。「高品質な画像を使えば、コンバージョン率が上がるためです。フォトシミリを使えばEC売上が20%ほど増えると見ています。導入先に話を伺うと、売上アップ効果を感じていらっしゃる企業が多いようです」(鳴海社長)
フォトシミリには、被写体の大きさに応じ、様々なサイズのものがある
411号(2017/03/10発行)10面