水中書店、「年商1400万円」実店舗の魅力磨き続ける
2019年10月17日
店内は本がカラフルに並ぶ
三鷹で古本店を運営する水中書店(東京都武蔵野市)は、ネット通販に安易に手を出さず、実店舗づくりに注力をしている。常連客の絶えない店作りの秘訣を聞いた。
マンションの1階部分にある店内には、所狭しと古本が並ぶ。よく見ると、陳列棚には赤、青、白、ピンクと様々な色の本が並び、法則のない不思議なリズムを感じる。「いかに棚に手を掛けるか、いかに本をよく動かすかを意識している。基本的に著者のあいうえお順で陳列するが、色や背の高さが重ならないように並び替えることも多い」(今野真店長)
今野真店長
そんな水中書店の年商は1200万~1400万円で安定した推移を見せる。販拡のためのECサイト出店はしない。売上のために、実店舗がネット通販の倉庫になってしまうと考えるからだ。
集客は、自作のショップカードなどの紙媒体や、時折更新するSNSで行っている。「即時性はないが、ゆるい反響がある」と今野店長の表情は明るい。メインの客層は20~40代男性で、1日に100人~120人ほどが足を運ぶ。
水中書店の開業は14年。近隣に住む子どもにも親しまれるよう、店名にはあえて簡単な漢字を選んだ。
今後は夏の売上を伸ばすため、催事への参加を企画している。「毎年夏は売上がどこの古本屋も落ちる。夏に古本や詩歌・俳句の催事をするだけでだいぶ変わると思う」(今野店長)
第473号(2019/10/10発行)5面