島村楽器が提供する「ポジティブリペア」とは?
2017年05月15日
修理需要増加を受け
総合楽器店最大手で小売り・教室運営など164店を展開する島村楽器(東京都江戸川区)が、楽器リペアに本腰を入れる。
管楽器のサックスをリペアする様子
同社は店舗併設のリペアルームや修理専門工房など約25拠点で展開し、管・弦楽器などを修理しているが、当面はこれを40〜50に増やす方針。3月には仙台と広島の2店舗に管楽器リペアルームを新設したばかりだ。修理技術者の育成は時間を要するため、「急激には増やさず、年間2拠点ペースでオープンする見込み」(照井雄一リージョナルマネージャー)と話す。
島村楽器はリペアを成長領域と見て、ここ3〜5年で注力するようになった。毎年件数・売上ともに順調に成長しており、売上原価が小さく収益面での貢献度も高い。楽器は使用者の愛着が付きやすい商材。音の不具合、凹み・キズ等は直して使い続けたいニーズがあり、各店舗でお客からの相談も多いと言う。
「リペア窓口があればお客様の様々な要望に応えられ、スタッフとの信頼関係を築けます。楽器購入など次の段階にも繋げやすくなります」(照井氏)
楽器リペアは直接来店や電話で受け付けており、今後はWEBの受付フォーム設置も目指す。修理の程度により変わるが、概ね1〜2週間程度で引き渡しとなる。中心修理単価は管楽器が約1万円で、弦楽器が5000〜8000円だ。今後は故障修理だけでなく、音を良くするためのカスタマイズである「ポジティブリペア」(照井氏)の提案も強化する。
島村楽器は小売・リペア・教室運営・イベント企画など、音楽を軸に様々な事業を展開。2017年2月期の売上高は336億円だ。
島村楽器店舗営業部
照井雄一リージョナルマネージャー
415号(2017/05/10発行)4面