バリュエンスが赤字転落、小売り強化で狂った歯車

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バリュエンスが赤字転落、小売り強化で狂った歯車

2024年04月25日

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バリュエンスホールディングス(東京都港区)が4月12日、2024年8月期第2四半期の営業利益が赤字になったことが分かった。業績の下方修正により通期でも上場以来初の営業赤字に転落する見通しだ。これまで右肩上がりで売上及び利益を伸ばしてきた。リユース業界の優良企業に何が起きたのか、原因を分析した。

バリュエンス バリュエンスHDの売上高と営業利益推移

バリュエンスHDは下方修正により、2024年8月期の売上高は813.7億円、12億円の営業赤字となる見通しだ。第2四半期までの売上高は前年同期比17.2%増と好調に推移する一方で、売上総利益は同2.7%減と前年を下回った。売上総利益率は4.6ポイント下落し22.4%となった。

赤字転落を招いた売上総利益の減少の背景には、小売り強化の戦略が裏目に出た面がありそうだ。ブランド品は、価格競争が厳しい領域だ。そのため、卸売りよりも高値で売れる小売りに力を入れることで、高く買える競争力を付ける狙いがある。インバウンド需要の回復を狙って競合企業も小売りに力を入れている。コメ兵は昨年11月に渋谷店を開設。また、GTホールディングスもコロナ禍から数々の小売店の出店を仕込んできた。

ただ、バリュエンスの主力販路は自社で運営するオンライン古物市場の「スターバイヤーズオークション(スタオク)」だ。小売りを伸ばすためには、在庫の確保が必要となるため、オークションと小売りとで奪い合いが発生するジレンマがある。スタオクの魅力を維持するため、REGATEやベストバイ等の同業によるコラボオークションを誘致してきたと見られる。

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第582号(2024/04/25発行)1面

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