即時買取サービス続々、 スマホで撮影。簡単換金
2017年12月11日
「キャッシュ」買収でDMM参戦
スマホで要らなくなったアイテムを撮影して、即現金化――。買取りの方法として、急速に存在感を増しているのが『即時買取り』のサービスだ。火付け役となったのはバンクが運営するキャッシュ。同社は10月31日、DMMの傘下に入り成長スピードを加速する。フリマアプリのメルカリも、同様のサービスを「メルカリNOW」として11月27日にリリース。携帯・スマホの即時買取りをする特化型のサービスを運営する事業者も出てきた。
メルカリも〝NOW〟開始
ジラフはスマホを即現金化
メルカリNOWは、フリマアプリのメルカリ上で利用できる買取りサービス。商品のブランドと状態を選択し、スマホのカメラで撮影するだけですぐに査定額が提示される。承認すれば、すぐにお金を手に入れることができる。換金した商品は、2週間以内に無料で集荷。商品の買取りはグループ会社のソウゾウが行い、メルカリに出品する。
査定額の上限は2万円で、買取限度額は1000万円までの先着順。毎日10時にリセットされる。毎日上限額まで買取りが行われた場合、年間約36億円の買取額となる。11月27日にサービス提供を開始したところ、想定以上のアクセスがあり、一時休止し同日午後に再開した。
メルカリには1日100万点以上が出品されており、このデータを利用して機械的に査定額を提示する。ただし「高く売るならNOWよりメルカリで売った方がいい」(メルカリプロダクト担当執行役員 伊豫健夫氏)と話す。
メルカリは国内で6000万DL、流通総額は月間100億円超えまでに成長している。だが、「時間がない」「やり取りが面倒」「売れるまで待ちたくない」などの意見があったと言う。消費者の声もさることながら、C2Cのメルカリに「フリマだけでない多様な選択肢を用意」(同氏)させたのは、バンクが始めた買取りサービス「キャッシュ」の爆発的な人気だ。同アプリは、リリースした6月28日に、3・7億円分の買取り依頼が殺到し一時サービスを停止。8月24日に再開し話題を集めた。
バンクは10月31日にDMMの買収案を受け入れ、傘下に入った。買収金額は70億円。潤沢な資金をつかって、キャッシュの圧倒的な成長を目指すとしている。11月27日には、最低買取金額を1000円に変更。一部を除いて「どんなものでも1000円から即時買取り」する仕様にした。
特化型でも同様のサービスが出始めている。ジラフが運営する、検品済み携帯のフリマサイト「スマホのマーケット」では、来年1月に中古端末を即現金化する「スママダッシュ」を開始予定だ。ユーザーは、売りたい中古端末を即現金化するか、自分の希望する価格で販売するか選択できるようにすると言う。
メルカリプロダクト担当執行役員の伊豫健夫氏(左)とメルカリNOWサービス開発責任者の石川佑樹氏(右)
429号(2017/11/10発行)1面