リユース業界の市場規模推計2024(2023年版)

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リユース業界の市場規模推計2024(2023年版)

2024年09月22日

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Reuse Market Data 2023 データで見るリユース市場

リユース経済新聞が独自にリユース市場規模の推計を行なったところ、2023年の市場規模は、前年比7.8%増の3.1兆円となった。調査対象とした2009年以降14年連続での拡大。物価高の影響から割安なリユース品への注目度が上昇。また、訪日観光客によるインバウンド需要の回復も追い風になっている。

Reuse Market Data 2023 リユース市場規模の推移と予測

2023年のリユース市場規模は前年比7.8%増の3兆1227億円と3兆円を超えた。2009年以降14年連続での拡大だ。物価上昇が続くなか、消費者の生活防衛意識の高まりから、新品よりも割安なリユース品が注目を集めている。加えて、訪日観光客によるインバウンド需要が回復していることも追い風になっている。

販路別では、店舗販売(BtoC)が好調に推移しており、前年比7.5%増の1兆1442億円に。また、ネット販売(BtoC)も拡大を続けており同12.0%増となった。一方、フリマアプリ等のネット販売(CtoC)は、同6.4%増。前年に続いて成長率が鈍化しており、BtoCの店舗販売及びネット販売共にCtoCのネット販売の成長率を上回った。

商材別では、インバウンド需要の回復が追い風となった「ブランド品」が前年比19.4%増の3656億円に拡大。「衣料・服飾品」も好調を維持し同15.5%増の5913億円となった。トレーディングカードを含む「玩具・模型」は、同20.2%増の2546億円に拡大した。ただ、主力のポケモンカードの相場下落により、先行きの不透明感が増している。今後の伸びが期待される「携帯・スマホ」は、同25. 2%増の865億円。端末価格の上昇に加え、販売台数も伸びたことで大幅な増加となった。

2015年以降のリユース市場拡大の牽引役はフリマアプリだった。ただ、ここに来て成長率が鈍化。一方でリユース企業の成長がこれを上回る形に変わりつつある。フリマアプリが法人による公式ショップを解禁したことで、この流れは一層強まっている。リユース企業とフリマアプリの両輪で市場が成長するフェーズに入ってきているようだ。

リユースは、持ち物を売って換金したり、割安な中古品を購入するという経済合理性と、再利用という環境配慮を両立する。こうした新たな消費スタイルは現代にマッチしており、市場の拡大は確実なものと思われる。また、リユースの浸透が、消費行動に変化を促すパラダイムシフトが起きている。こうした動きは国内に限った話ではなく、グローバルトレンドと言っても過言ではない。こうした流れを受けて、リユースに参入する一次流通企業も増加傾向にある。本紙の推計では、リユース市場規模は2030年には4兆円に拡大すると予測している。一次流通企業が市場成長の牽引役になることで、リユース市場の新しい世界が見えてくることになりそうだ。

第592号(2024/09/25発行)9面

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