J.フロントがリユース参入 大丸・松坂屋等で買取、コメ兵と合弁会社
2024年11月25日
大丸や松坂屋、パルコなどを運営するJ.フロントリテイリング(以下:JFR・東京都中央区)は11月13日、リユース事業への参入を発表した。2025年にコメ兵と合弁会社を設立し、夏頃に1号店を出店しブランド品等の買取事業を始める。リユース企業との合弁会社設立は、百貨店業界では初の取組みという。一次流通企業と二次がタッグを組む今回のスキームは、多方面で注目を集めそうだ。
事業モデルの検証を行った大丸神戸店
合弁会社の設立は2025年3月の予定で名称は未定。資本金および資本準備金は6億円の予定で、JFRが51%、コメ兵が49%を出資する。合弁会社はJFRの連結対象子会社となるため、売上高や収益面での寄与が見込める。一方、合弁会社で買取った商品は、全てコメ兵が買い上げるため、両社に売上と収益が計上される。
百貨店等に合弁会社の買取専門店を出店する際、JFRは出店場所を用意、コメ兵は人材や査定ノウハウを提供する。コメ兵にとっては、百貨店の信用力を用いた営業活動ができ、外商顧客への接触が図れる。また、実質的には買取店舗が増え、良質な商品が集められるメリットがある。買取対象はブランド品としているものの、骨董品や古美術、絵画など取り扱い商材の幅が今後広がる可能性もありそうだ。
第596号(2024/11/25発行)1面