新品5対中古5の「混売戦略」
カメラ、腕時計、映像・音響機器などの専門店を展開し、中古と新品で年商200億円強を売り上げるのがフジヤグループ(東京都中野区)だ。80年近く前に写真材料商として創業した同社がどのように拡大してきたか。大月浩司郎社長に聞いた。
――御社は、カメラや腕時計などさまざまな商材の専門店を展開されていますよね。
カメラを扱う「フジヤカメラ店」、メンズ腕時計の「ジャックロード」、レディース腕時計の「ベティーロード」、そして映像・音響機器の「フジヤエービック」になります。いずれも中野に実店舗を構えて、ネット販売もしています。
――それぞれの事業規模は。
前期はカメラが72億円、メンズ腕時計が81億円、レディースが34億円、映像・音響関係が18億円で合計205億円でした。このうち中古は4割弱くらいでしょうか。
創業時から新品と中古を販売
――中古はいつから扱い始めたのですか。
1938年に写真材料商の「大月太陽堂」として創業し、その後に舶来・国産カメラの本体やレンズを扱う「フジヤカメラ店」となりました。当時は珍しかったのですが、カメラ事業の創業時から新品と中古の混売を行ってきました。
――なぜ混売を?
当店の基本的な考えは、店頭に置いている新品が売れるから中古の買取りも集まり、それがまた別の方に売れていく、ということです。同じメーカーでも年代やモデルの違い、また同一商品でも価格の違いで見比べられるのは、カメラが好きな方には大変魅力になります。
社長プロフィール
1946年8月10日、東京都中野区生まれ。
上智大学中退後、1968年にフジヤカメラ店に入社。
1980年にフジヤカメラ店代表取締役に就任し、以後ジャックロードやフジヤエービックの代表も兼任する。
趣味は30年間続けているゴルフと読書。ドラッカーの著作物が愛読書と話す。
362号(2015/02/25発行)16面