第5回 古物市場の探し方、選び方
2015年を迎え、気持ち新たに「市場に参加してみよう!」と思い立った方もいるのではないでしょうか。とはいえ、今や全国いたるところに様々な市場が存在していますから、どれに参加すればいいか分からない、という声も聞こえてきそうです。今回は"市場の選び方"をお話したいと思います。
まずは、どんな市場があるか探してみましょう。お付き合いのある同業社に聞いてもいいですし、今は「古物市場」をキーワードに検索すれば、ネットでも様々な市場の情報が見つかります。あるいは本紙読者の皆さんは、毎月10日発行号の『リサイクル通信』紙面後半には古物市場の開催日程が地域ごとにズラリと掲載されていますから、そちらを参考にしていただくのがよさそうです。
行って、見て、肌で感じよう
次に「自分の欲しい商材がより多く集まりそうな市場か」を念頭にチェックします。ブランドバッグ、時計や宝石、着物や家電に骨董など、各市場が取り扱っている品目を見比べてみます。取扱品目が同じであっても、市場によって出品されるブランドごとの量や、商材のコンディションに開きがある場合もあります。「良いコンディションが中心で相場が高め」だったり「コンディションは落ちるが安く買える」といった風に、市場ごとに異なる特色を踏まえて判断しましょう。
リサイクル通信の毎月10日号には全国の市場情報開催日程が掲載されている
開催日や取扱品目が複数ある市場なら、あらかじめ競りの進行内容を聞いておくと安心かもしれません。例えば、当社が主催するRKグローバルオークションは毎月15~17日の3日間で各日ごとに異なる商材の競りを行いますが、1日開催の市場であっても午前と午後で、それぞれ違う内容の競りが開催されるところもあります。
さらには、同日同時間帯に一つの会場で部屋を仕切って、各部屋で異なる競りを同時進行で開催!なんて市場も。参加したい競りに確実に参加できるよう、前もって確認しておきましょう。
興味のある市場が絞り込めたら、参加方法を調べます。古物市場は会員制を採っている場合が多く、そうした市場へ参加するには古物商許可証の提示や入会手続きが必要となります。市場によっては入会審査があり、関係者からの紹介がなければそもそも入会できないことも。こうした形式は、規模が大きい「大会」市場によく見られます。対して「平場」は入会のハードルが低めで、費用的にも大会と比べて安く済む場合があります。以前にもお話しましたが、初心者の方であれば、まずは平場で探されることをオススメします。
そして、最終的には「実際に行ってみること」!市場によっては、見学させてくれる(有料が一般的)ところもありますから、実際に競りの本番を肌で感じることができます。欲しい商材が出品されているか、全体の相場感はどの程度か、初心者でも買いやすい雰囲気か...。いずれも現場に行って初めて分かる貴重な情報。時間が許すようであれば、いくつかの市場を周ってみることをオススメします。
皆さんも全国に数ある市場の中から、自分に合った『マイ・ベスト市場』をぜひ見つけてくださいね!
齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ
執行役員 兼 オークション事業本部 本部長
Profile
グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。
360号(2015/01/25発行)5面