ゲオ(愛知県名古屋市)が8月より「名古屋プロセスセンター」を本格稼働させ、スマホの大量買取・再商品化とEC化率アップに取り組んでいる。全国6拠点ある既存の「ゲオ流通センター」とは一線を画した、新施設の内部に迫る。
法人とECを更に強化へ
延べ床面積4560㎡。ゲオが1億円を投資して開設した「名古屋プロセスセンター」は、同社が昨今特に力を入れているモバイル事業の中核となる施設。
店舗を介さない法人からの大量買取や、EC経由の買取品をメインに扱う。1〜4階のエリアでは買い取った中古端末の個人情報消去や、再商品化、EC「ゲオモバイル」への出品作業、発送作業を一元化して行う。直近では、週6000台の再商品化の実績があると言う。
同社はこの施設の稼働で、モバイル事業における「法人との大口の取引」、「EC化率アップ」を実現させる。尚、同社の同事業EC販売化率は今年8月時点で13・7%見込み。これを20%まで引き上げる狙いだ。
4F/個人情報消去
買取ったアイテムは、まず4階で個人情報の消去作業を行う。同フロアは高セキュリティー管理区画となっており、セキュリティー用ICカードが無いと入室できない。iPhoneとAndroidは「blancco」、ガラケーは「Re-secure」の消去ソフトを使用する。消去が完了した物は、独自の13桁のナンバーをふり管理する。消去履歴は同社のサーバー上に残り、全店舗で照合することができる。消去していない端末は、販売できない仕組みだ。
買取ったアイテムのデータを消去する様子。1度に最大20台の作業が可能だと言う
消去が完了した端末にはゲオ発行の管理用シールを貼る。独自のコードで管理しており、消去履歴等を全国の店舗で照合できる
3F/検品・再商品化
4Fで個人情報消去が済んだアイテムの検品、再商品化を行う。こちらも高セキュリティー区画。このフロア内の複数工程を経て、個人データが完全に消去された端末になる。まず、blanccoの検品用アプリを端末にインストールし、液晶やマイク、スピーカーなどの動作テストを行う。所要時間は1台当たり1分半〜3分程。次にフェリカの検査を行い、「おサイフケータイ」のデータを消去する。その後「第三者チェック」で、一つひとつ手作業でデータの消去や動作を最終確認。この時点でデータは完全消去されているため、クリーニングは現在外部で行っていると言う。
この他にも別ラインで、店頭から戻ってきた物やPCの再商品化も行う。
3Fの検品・再商品化エリア。これは動作チェックの作業風景。
ブランコの検品用アプリを使い、マイク・スピーカー・液晶画面のテストをする。
その後おサイフケータイのデータ消去や第三者チェックを経て、再商品化される
2F/EC販売作業
施設データ
坪数:1379坪(オフィス区画500坪、高セキュリティー管理区画879坪)
従業員数:50名(社員8名)※2017年8月現在
各フロアの主な機能:1F/入荷・出荷・検品、2F/EC販売作業、3F/リユース携帯端末及びパソコン検査・商品化、4F/リユース携帯端末個人情報消去
424号(2017/09/25発行)7面