コンセリア
リサイクルブティックのコンセリア(東京都杉並区)には、いつも洋服やバッグを購入する50代の女性がいた。ある日、その女性が青ざめた顔で来店した。
リサイクルショップに見えない凝った外観
理由を聞いたところ、「明日、息子がプロポーズする予定なの。その時、私の指輪をリフォームしてお付き合いしている女性に渡すつもりだったのに、リフォームを依頼した宝石店に取りに行ったら、臨時休業で店が閉まっていたのよ」と言うのだ。
女性は同店にジュエリーがあることを思いだし、何かプレゼントできるものがあるかもしれないと駆け込んできたのだ。その話を聞いた丸山俊江代表とスタッフは、お付き合いしている女性のタイプを聞き、10万円ほどの可愛いネックレスを慎重に選んだ。そして女性の了承を得ると、綺麗な箱にカードを入れ、リボンもかけて、「成功するといいですね」と送り出した。
成り行きを心配していると、それから数日後、お礼のカードを手に持ち、女性が「大成功だったわ!」とプロポーズを受け入れてもらえたことを報告に来てくれた。
「それから暫くして、当店で紅葉狩りを開催した時、お嫁さんになったそのお嬢さんが、あのネックレスを身に付けて参加して下さったのです。それを目にしたときは、本当に満足して下さったのだなと、嬉しかったですね」(丸山代表)
386号(2016/02/25発行)19面