【トップINTERVIEW】ソラビト 博多一晃 社長

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【トップINTERVIEW】ソラビト 博多一晃 社長

2018年07月17日

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・中古建機ECを運営するソラビト
・7割以上の商品が海外に
・状態が良く高い評価を受けている


中古建機の売買サイトを運営
ソラビト 博多 一晃 社長

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【社長プロフィール】

1984年生まれ(34歳)。東京都出身。2006年に東京大学工学部を卒業し、同年メリルリンチ日本証券株式会社投資銀行部門にアナリストとして入社。以後約11年に渡り投資銀行部門にてTMT(テクノロジー・メディア・テレコム)業界を一貫して担当し、国内外の多数の大手テクノロジー企業に対してM&A(買収・事業譲渡等)、資金調達等の助言業務に従事。2017年8月に同社にCFOとして入社して以降、伊藤忠建機・マーケットエンタープライズ等との提携を含めた事業開発・2018年5月に発表した3.6億円の資金調達活動に従事するとともに、2017年10月以降は事業部門責任者として国内の建設機械保有者への営業・国内外の建設機械購入者への営業・物流面含めたオペレーション全般を管掌。2018年4月以降はプロダクト部門責任者も兼務し、自社サイト・サービスの機能改善に務める。2018年6月より取締役社長に就任

アジア最大級の中古建機プラットフォーム「オールストッカー」を運営するソラビト(東京都中央区)。
同社は6月1日、博多一晃氏が新社長に就任した。
博多社長は5月に事業拡大に向けて3・6億円の資金調達を実施した。
今後どのようにオールストッカーを成長させていくかを聞いた。

7割以上海外に、〝状態〟に高い評価

――改めて、御社の事業内容を教えてください。

博多   当社では中古建機車両の売買サイト「オールストッカー」を運営しています。国内のレンタル会社やリース会社を中心に不要になった建機をオールストッカーに出品していただき、中古建機を必要としている業者や個人を繋いでいます。現在、出品者には200社、買い手には3000社が登録しているプラットフォームで、サービス開始2年で年間流通総額10億円を突破しました。

――博多さんは6月1日より新社長に就任されましたが、今後何に取り組んでいきますか。

博多  具体的には、ふわっとある構想に対して、じゃあ誰と組んでやって行くべきか、どういう組織にしたら良いかをスピードアップさせながらしっかり固めて行こうと思っています。私は昨年入社しましたが、もともとはメリルリンチ日本証券で投資銀行部門におり、主にメーカーを相手に、企業の買収や資金調達などのアドバイスをしていました。当社に入社した頃は財務畑におりまして、調達の活動がメインでした。途中から事業部門を担当するようになり、オールストッカーをどういうサイトにしていけば良いか?というところを全体的に見るようになりました。社長就任は前社長で現会長の青木から打診を受けました。青木本人もやりたいことがすごくたくさんあり、流石に分業していかないと無理じゃないかということで話がまとまりました。

――実際に伊藤忠建機などと業務提携をするなど順調に環境を整えていると思いますが、どういった提携内容でしょうか。

博多   伊藤忠さんも建機を持っていらっしゃる方とのお付き合いがある。その方々が不要になった建機を売りたいとなった時に「オールストッカーを使ってみたらどうですか?」と我々の代わりにお客様のニーズを引き出し、出品までのサポートをしていただいています。日本の中古建機は日本で丁寧に使われているのですごく海外で人気が高い。だからこそ我々が日本のために日本の中古建機ブランドを維持していきたいです。その大きなビジョンに共感していただけたと思っています。

評価点はユーズドインジャパン

――日本の中古建機はどのようなところが具体的に海外で評価されているのですか。

博多   何と言っても状態です。日本で使われているから欲しいというブランディングが出来あがってきています。メイドインジャパン&ユーズドインジャパンですね。

――ユーズドインジャパンとは。

博多   日本の建設会社やレンタル会社は特定自主検査といって、年1回、建機の車検のようなものを行います。必要であれば修理をする。ここが魅力的です。これが海外のものだと1日3稼働でがーっと使い続けてしまい、メンテナンスする時間もありませんから、結局壊れたまま使い続けることになる。結果として、自然と日本のものがすごく若く見えてくるわけです。海外に行くと、日本製でない物でも日本製ですと言い張る人や、日本のステッカーを剥がして現地の機械に貼り付け日本製だと言って売ったりする人もいる。それくらい人気があります。

――オールストッカーを通して、どれくらいの中古建機がどこの国に流れていますか。

博多   成約の内訳は国内・海外が半々ですが、国内でも輸出系の業者がいらっしゃるので、実質は7割以上が海外に流れていると思います。国で言うと、一番は中国。あとはフィリピンやベトナムといったところでしょうか。

――やはり公共工事の需要が多いのですか。

博多   はい。日本では想像できないくらい、まだまだインフラが整っていない国は多いです。例えば島がたくさんある国はそうでしょう。道路、橋、ダム、そしてビル。これらはもちろん、全部の工事に建機を使います。

「特設ページ」への出品強化

――オールストッカーへの出品の仕組みはどうなっていますか。

博多   全部ではないですが、建機を売りたいと言うお客様のところに行って、鑑定したり写真を撮ったりと出品サポートをします。成約すれば、出品者に「これ、決まりました」とお伝えし、運送の手配までを行っています。

――オークション型とマーケット型があると伺いました。どのように使い分けていますか。

博多   我々から出品者にどちらがいいとかは提案していませんが、特殊な機械は高値が付く可能性があるのでオークションに向いているかなと思います。一方で、そうでもないようなものはオークション出品してもいい値が付かない。むしろマーケットの方に載せて、商談が入ったときに進めましょうという感じが良いと思います。

――売りたくても、建機は重厚長大。出品者は簡単にオールストッカーへ出品してくれるものですか。

博多   確かに簡単ではありません。だからこそ今、強化している〝出し方〟があります。そもそも実は、この業界で一番多い中古建機の売り方って、ネット売りではなく、リアルに機械がある所に人を呼んで、「皆さん値段を付けてください」という入札(相見積もり)方式なんです。従来の相見積もりは、出品者からすると色々な方に値段を聞いて、その中で一番高い人に売ることになるので納得感はあると思います。だからこそ我々が今強化しているのが、従来のやり方に乗っかるような形で、出品者には日頃のオペレーションを無理に変えてもらうことなく、当サイトの特設ページに掲載してもらっているんです。今春から本格的に始めています。

――特設ページとは何ですか。

博多   特設ページに掲載の建機には入札期限を設けています。買い手もたくさんある機械の中から頑張って1つを選ぶよりかは、なるべく早くお目当ての物を見つけて値段を付けられるようになる。同時に、出品者が独自で仲の良いところに聞き続けてもらっても良いわけです。実はこの特設ページ経由での売上構成が一番高くなってきているんです。

3年で流通総額100億円へ

――着々と仕組みを変えているんですね。さて、今後の目標は。

博多   業界としては、自分が欲しいと思う建機をネット検索してポンと買える世界にはまだなっていない。もっとオールストッカーを知っていただきたいですし、安心して買える場所ということを実感してもらいたいですね。3年以内に年間流通100億円を目標にしています。

【会社データ】
社   名 SORABITO株式会社
取締役社長 博多 一晃
設   立 2014年5月12日
資 本 金 9億5103万円(資本準備金を含む)
本   社 東京都中央区日本橋茅場町1-9-2 第一稲村ビル8階
従 業 員 数 20名(外部含む)

第443号(2018/07/10発行)7面

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