《イベントレポート》H&Mが古着回収の取り組みなどを紹介

検索

《イベントレポート》H&Mが古着回収の取り組みなどを紹介

2018年08月07日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

リファッション2018

p2.jpg

▲H&Mのサスティナブルな取り組みとロードマップ、最終的なゴールを語る山浦誉史氏

H&Mが古着回収の取り組みなどを紹介

7月7日、東京・代々木の文化学園大学で「リファッション2018」が「リファッション4・02nd」をテーマに開催された。


「リファッション2018」はファッションビジネス学会とその研究部会が繊維3R(リデュース・リユース・リサイクル)の活動を広げる目的でスタートしたシンポジウムで、今年10回目となる。

今回は国連が採択したSDGs:Sustainab le Development Goals(持続可能な開発目標)とファッションとの関係性をテーマに、SDGsの基本的な考え方、グローバル企業による対応など、さまざまな角度からSDGsを考察した。

東京都市大学名誉教授の中原秀樹氏による基調講演「リファッションとエシカル」では、2013年にバングラデシュの縫製工場「ラナ・プラザ」が崩壊し、1127人が死亡した事故で、日本や欧米のグローバル展開する大手衣料品業者が同国の劣悪な労働環境や安い労働力に依存して利益を上げていた状況が判明、それを契機に環境・人権・倫理に配慮したエシカル調達・消費への関心が高まったと歴史的な背景を解説した。

企業講演ではH&Mヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパンのPRプロジェクトリーダー・ジェンナー真帆氏とCSRマネージャーの山浦誉史氏が登壇し、「H&Mにおけるサスティナビリティの今」をテーマに同社の活動を紹介した。

H&Mは世界の全店舗で古着回収サービスを行っており、2017年に回収された古着は17771トン。

古着は「古着販売」「リユース」「リサイクル」「エネルギー」の4カテゴリーに仕分けしている。

オーガニックコットンで世界最大級のユーザーである同社は、2020年までに全てのコットンを2030年までに全ての素材をサスティナブルに切り替え、2040年までにバリューチェーンを通じて「クライメット・ポジティヴ」になるというロードマップを描いている。

その他、ニットメーカーのジムと俳優・伊勢谷友介氏が代表を務めるリバースプロジェクトが設立した「エシカルタウン原宿」の取り組みや東京家政大学の藤岡七海氏と文化ファッション大学院大学助教の市川智美氏、服飾商社勤務の古田賢氏、デザイナーの山口大人氏による研究発表などが行われた。

p3.jpg

▲故ジャンニ・ヴェルサーチのシャツを着て登壇した古田賢氏は「中古ブランド市場での取引は無意識のエコになっている」と述べた

第444号(2018/07/25発行)17面

Page top
閉じる