メルカリ 女性関連以外の分野を強化
2018年08月27日
フリマアプリ最大手のメルカリ(東京都港区)が8月9日、上場後初の決算を発表した。
2018年6月期の売上高は前期比62%増の357億円となった一方で、営業損失は44億円と赤字幅は拡大。
山田進太郎CEOは、「短期的な収益を意識するフェーズではない」としており、海外や国内の新規事業に積極的な投資を続けている。
国内流通3500億円
女性関連以外の分野を強化
2018年6月期におけるメルカリの国内GMV(流通総額)は前期比49.5%増の3468億円となった(上グラフ参照)。小泉文明COOは「国内は安定成長のフェーズに入っている」と話す。
カテゴリー別(左下グラフ参照)に見ると、最も多いのは「レディース」で26%を占める。
また、「コスメ・美容」(7%)、「ベビー・キッズ」(5%)を加えた女性関連比率は39%となっている。
これらカテゴリーは4年前で52%を占めており、それ以外の比率が伸びてきていることが分かる。中でも大きく伸びているのが「エンタメ・ホビー」だ。
これは、本に特化したフリマアプリ「メルカリカウル」にあった、バーコードを撮影するだけで商品情報が自動入力され、簡単に出品できる機能を移植したことが大きい。
本などの出品を押し上げた。プロモーションにおいてもスマホやカー用品といった特定カテゴリーの強化を見据えた広告宣伝を行っており、女性関連以外の分野を強化していく。
同社は、7月20日に「メルカリNOW」、「teacha」、「メルカリメゾンズ」の3つの新事業からの撤退を発表。より高い成長が見込める方へ経営資源を集中していく。その成長戦略の1つに挙げられているのが金融サービスの「メルペイ」だ。これはメルカリで売って得たお金を「メルペイウォレット」に集約し、メルカリ以外のオンラインやオフラインの加盟店で使えるようにすると言うもの。これが利用できる加盟店の開拓を推進する。
世界戦略を進めていく中で、カギを握る米国事業のGMV(流通総額)は、前期比27.2%増の2億1200万ドル。
出足が遅れているものの、経営体制の強化やリブランディングを行い、成長を加速させていく。尚、2019年6月期連結業績予想は非開示としており、国内流通総額の伸びがどの程度となるかは不明だが、これまでの成長率を鑑みると4500~5500億円が目安になりそうだ。
第446号(2018/08/25発行)1面