ブランドリサイクルを展開しながら、「お酒」「工具」など新しい商材に取り組み年商10億円以上売り上げる『買蔵』。運営するグランチャ(神奈川県横浜市)がまた、新しい動きを見せた。「脱日本!」を掲げ、フィリピンに中古ブランド旋風を巻き起こそうとしている。その背景には、「買取り」と「販売」をくっきり分けて考える氏家社長独自のセオリーがある。
BCランク、市もネットも難 外国人に売るのスタンダードに
――フィリピンの視察をされているそうですね。
向こうに中古ブランドのマーケットをつくりたいと思っています。ビジネスモデルもパートナーも模索している段階ですが、先日は5日かけて市場主催者やセキュリティ会社、コンベンション、ジェトロや大使館など色んな人に会って話しを聞いてきました。
――ところでなぜ、フィリピンに?
中古ブランドで進出するなら中国や台湾というイメージがあったんですが、フィリピンやタイの反応が強かったんです。買蔵のフェイスブックに入荷商品の情報を上げていると、特に仕掛けたわけではないのに友達9000人の内、7000人をフィリピン人が占めるようになりました。
所得がだいたい日本の10分の1なので、新品で10万円の商品は、向こうでは100万円の感覚。でも中古で1万円なら、10万円のイメージで手が届きます。タイも視察に行ったけど、フィリピンの方がブランド好きの人が多く、マーケット構築についてしっくりきました。
買い取った商品店では売らない?
――輸出先として検討しているんでしょうか。
ただ商品を供給するだけじゃおもしろくない。中古売買のオークション、小売店、ネットショップ、行商スタッフなど含めたブランド市場をまるごとつくりたいんです。
まずは日本から商品を持って行ってオークションにかける。個人が買いにきて力がつくとやがてプロのバイヤーになり、お店を持つようになる。中古ブランド旋風が起きれば、向こうにブランド品を持って行った時にもずっと売りやすくなります。
1年もすれば買取需要も増えるので、買取の真贋などノウハウを提供するコンサルの需要もできるでしょう。
設立:2007年11月1日
資本金:650万円
年商:2012年度(第6期)10.2億円
本社:〒244-0801 神奈川県横浜市戸塚区品濃町549-2 三宅ビル901
事業内容:リサイクル事業・FC事業・催事事業
361号(2015/02/10発行)7面