FTC、質で稼ぐ「かんてい局」
2025年01月25日
ブランド品等の買取販売や質事業「かんてい局」の直営展開及びFC事業を運営するFTC(岐阜県大垣市)の業績が好調だ。2024年8月期の売上高は前期比7.9%増の52.2億円、経常利益は8億円。高収益の背景には、質預かりの増加に伴う質料収入の増加がある。新規利用客の6割を20~30代が占めており、若年層の開拓に力を入れている。
新規利用者の6割が若年層
経常利益率は15.3%
1995年11月にオープンしたかんてい局茜部店
FTCは質事業及びブランド品の買取販売を行う「かんてい局」の直営店を5店舗、買取専門業態を1店舗展開する。また、FC事業も展開しており、直営及びFCを含めた店舗数は、「かんてい局」で67店舗、買取専門店が70店、総合リユース業態の「リサイクルマート」は93店舗と合計で245店舗を展開する(2024年8月末時点)。
「かんてい局」業態の直営店は2020年1月に買取専門業態を出店して以降、新規出店しておらず、既存店で成長を図っている。最も古い1号店が、1995年11月にオープンした岐阜市の茜部店だ。同店の昨年上期の平均月商は8070万円、買取・仕入れが5576万円で粗利率は30.9%。これに質料収入686万円が加わることで、粗利率は39.4%に跳ね上がる。営業利益は月平均1900万円にも上る。
同社の2024年8月期の経常利益率は15.3%。この高収益を実現しているのが、質事業だ。直営5店舗の質預かり貸付残高は5億7365万円にのぼる。FCを含めると26億円と質大手の大黒屋HDを上回る。1店舗平均で約4000万円の預かりで、月200万円の質料収入となる。質預かりが増加傾向にある背景には、新規出店に加え、若年層の利用開拓がある。直営店では、質の新規利用において、20~30代の利用が59%に及ぶ。男性利用が6割で、外国人の利用も2割程度を占める。1店舗当たり月平均で20人強の新規利用者を獲得している。
第600号(2025/01/25発行)1面