モバウロ、｢完全会員制｣の携帯買取店に主婦が集まる　

大手リユース店はもとより､キャリアやメーカーも下取りを行い商品集めが容易ではない中古携帯市場｡そんな中､あえて｢完全会員制｣の買取店を運営するのがモバウロ(兵庫県加古川市) だ｡その狙いやいかに？

ヘアサロンのような外観の店舗｡女性が入りやすいようにした

EUM運営のモバウロが完全会員制の携帯買取店を始めたのは1年半前。携帯やスマホの買取りは登録した会員からのみ行い、登録しない場合は買取らないという強気な姿勢だ。現在会員数は約1000人で、｢順調に伸びている｣(西村社長)と話す。会員制にしたのは、買取店を利用したことのない女性客層を取り込むためだ。

｢『高価買取』のサインが舞う買取店は胡散臭いイメージを持っている人も多く、特に子育て中のママなどは自分の行く所ではないと感じています。『会員制』という制度には信頼感があり、変な人も排除されているという安心感になる。女性が子供と一緒に来店できるようになるんです｣(西村社長)

完全会員制をうたっている

ゆったりした待合スペース。キッズコーナーもある

狙い通り、会員の9割が女性客だ。同店は会員制にするだけではなく、子供が退屈せず待てるキッズスペースも用意し、寛いで査定を待てるように無料のドリンクコーナーもつくった。

携帯買取り市場には参入企業も多く、大手も大々的に展開している。携帯やスマホを買取りに出すリテラシーの高い男性層は、すでに取り合いが激しい市況だ。そこでモバウロは、これまで買取りを利用しなかった層をターゲットにしたのだと言う。買取初心者は、他店と相見積をとって1円でも高く買い取ってもらおうという人も少なく、買取価格競争に巻き込まれることもない。

389号（2016/4/10発行）20面