第6回 市場に掛かる費用とは?
今回は「市場に掛かる費用」について詳しくお話します。市場へ参加するにあたって、主な必要経費として「入会金・年会費」と下見および本番の「参加費用」、そして「歩銭(ぶせん)」が挙げられます。入会金は初めて市場に参加する際に、年会費は次年度以降も継続して在籍する場合に支払う費用のこと。
市場によって年会費の有無は異なりますが、どちらもおよそ1~3万円程度が一般的です。また、参加費用は下見(大会の場合のみ) と本番参加時それぞれ当日に支払います。前者が1,000円、後者が2~3,000円ほどで、当日の昼食や飲物がセットになっている場合が大半ですね。
外税と内税で異なる手数料
歩銭については耳馴染みのない単語かもしれませんが、これは品物を売却した売り手と品物を落札した買い手、それぞれが最終落札金額に応じてあらかじめ定められた料率に基づいて会主に支払う手数料です。市場選びの際によく見ておきたいのがこの歩銭。その市場が「外税」と「内税」、どちらの方式を採っているかを確認しておくことが大切です。
外税とはいわゆる"税抜き表示"であり「最終落札金額に消費税を含まない」方式。反対に、内税は"税込表示"のことで「最終落札金額に消費税を含む」方式です。税方式の違いによって手数料の支払い主が異なります。基本的に外税の場合は売り手、内税の場合は買い手が歩銭を支払います(*売り手買い手ともに手数料がかかる場合もあります)。
100万円の品物が落札された場合を例に挙げてみましょう。外税方式で買い歩0%、売り歩3%の場合、100万円(税抜き) +消費税8% (8万円) を買い手が支払い、歩銭として税抜き落札金額に対する歩銭3% (3万円) を引いた105万円が売り手に支払われます。一方、内税方式で買い歩3%、売り歩0%の場合は、100万円(税込) +歩銭3% (3万円) +歩銭の消費税8% (2400円) の合計103万2400円を買い手が支払い、売り手には100万円が支払われます。
高額品の出品が多い大会は外税が主流ですが、平場では内税を採用しているところも多いようです。平場は、下見をしながら競るため、売り買いの値が分かりやすい内税方式を採用しているようです。また、最近の傾向としては、高額品の売り手に対し、落札金額の数%を上乗せして支払ったり、低額(主に1万円未満)で落札された商品に対しては、内税方式の市場であっても売り歩がかかるところもあるようです。このような付則が設けられている市場もあるため、歩銭についてはしっかり調べておくことが重要です。
最後に、競り終了後の支払いについて。市場での清算は、原則「現金精算」!売掛はできませんので、買い手として参加される場合はあらかじめ会主が指定する口座に振り込むか、当日中に現金で支払いましょう(万一予算を上回ってしまった場合、落札商品の引き渡しは現金振込後となるためご注意ください!)。
齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ
執行役員 兼 オークション事業本部 本部長
Profile
グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。
362号(2015/02/25発行)12面