JFA(愛知県蒲郡市) ブランドリユース
在庫2万点を一気にeBayへ
国内不況もどこ吹く風、北米に強いブランドリユース事業のJFAは2016年9月期の売上げを前年から20%伸ばし、現在も手堅く成長を続けている。同社の勢いがいいのは、販路を海外に置き換えたからだ。
JFAのホームページ
JFAが方向転換をしたのは約5年前。それまで楽天市場やヤフオク!を通じて国内でネット販売していたが、世界最大級のECモール「eBay(イーベイ)」に販路を集中することに決めた。現在の月間出品数は、約5000点。
「国内は競合が多く飽和状態、ここからシェアをとるのは難しいと思ったからです。イーベイに本腰を入れているブランドリユース店もほとんどいなかったこともあり、チャレンジするしかないと考えました」(板倉慎哉社長)。当時日本の相場は下がっていたが、リサーチしてイーベイ上には日本と違う相場があることも魅力だと感じた。
この決断が、現在の業績につながっている。前年比20%で成長している売上げの7割を稼ぐのが、今やイーベイを通した海外販売だ。イーベイはアメリカで最も使われているため、同社のイーベイ経由販売のお客も40%がアメリカ。アジアとヨーロッパも30%ずついる。
今いるメンバーでできる仕組みを
板倉社長自身は、大変なことではなかったと振り返る。
しかし、それまで国内のネット通販に出していた在庫2万点を、全てイーベイに移すと決めたのは大胆な舵取りに思える。2〜3ヵ月の間にマンパワーで商品情報を移行し、初月から数字を出したと言う。
語学が堪能なスタッフが充分に居たわけでもない。
「キズがある」とか「汚れがある」という必要な単語を100くらいリストアップし、その英訳表をつくった。
100%完璧じゃなくていい。ユーザーの要望に応えられるレベルがあればそれでいいというのが考え方だ。
「今いるメンバーでできるような仕組みをつくればいいんです」(板倉社長)
商品調達は?
JFAの商品調達は、100%が古物市場での仕入れ。店舗を持って消費者から買い取ると経費がかかるため。「買取り競争も進み、業者仕入と消費者からの直接買取りの価格差も小さくなっている。市場で買った方が効率がいいと考えています」
全国の古物市場と、同社が加盟するリサイクルブランド流通協同組合の市場「RBA」でバイヤーが商品を買い付けている。
412号(2017/03/10発行)9面