テイツーとエーツー、資本業務提携へ
2017年04月25日
「古本市場」と「駿河屋」協働
古本市場を展開するテイツーと駿河屋のエーツーが4月13日、資本業務提携に向けて協議を開始すると発表した。本やゲーム、CD・DVDなどメディア市場は急速に縮小している。2社はパートナーシップを結ぶことで、成長への道筋をつけたいものと見られる。
テイツーは古本、ゲーム、トレカなどの売買をメインに123店舗を運営しているが、主力商品の古本でデジタル化がすすみ、ゲームやDVDについてもネット配信が盛んになりつつある。新規事業のトレカは成長しつつあるが、市場縮小のスピードを追い越すには至らず売上高は低迷。平成29年2月期の売上高は283億円で、平成20年と比較すると38%減少しており、事業の転換と財務体質の改善が急務だ。現況を打破する企業との提携を検討しており、取引先でもあるエーツーがその候補に上がった。
エーツーは、フィギュアやゲーム、雑貨、書籍などを中心に売買しており、「駿河屋」「エーツー」「ブックマーケット」の屋号で展開している。同社は特に駿河屋のネット通販が強いが、現在オムニチャネル化による顧客利便性の向上を目的に主要都市中心部への出店を加速している。同社にとっても、実店舗運営のノウハウを持つテイツーと手を組むことは成長につながる可能性がある。
テイツーは新たな経営体制を構築するために社長交代も発表した。寺田勝宏社長は代表権の無い取締役会長に退き、取締役管理本部長兼経営管理部長の藤原克治氏が代表取締役社長に就任する。2社の資本業務提携は平成29年5月を、第三者割当の払込期日は同6月を計画している。
生き残りをかけて、商材のシフトや効率化など大胆な転換をスピーディーに行うことが求められている。
414号(2017/04/25発行)1面