光本勇介CEOが前夜に語る
手持ちのアイテムを即現金化するアプリとして世間を驚かせたキャッシュ。6月28日にリリースするいなや3億7000万円分の申し込みが殺到し、16時間34分後にサービス休止をしていたが、本日(8月24日)サービスを再開する。運営するバンク(東京都渋谷区)の光本勇介CEOに再開1日前にインタビュー。いったい何がおこって、これからキャッシュがどう成長するのか語ってもらった。
−−申込みが想定をはるかに上回って殺到したそうですね。
開始して16時間後に集荷依頼が1万件くらいきました。社員5、6人のこのオフィスに届く予定だったので、はじめはただただ驚いて。これ以上ぜったいにさばけないなと思って休止しました。翌日にはトラックが大量に商品を持ってきたので、バイトをやといまくってさばきました。
最初は1~2ヵ月で1億円くらいを供給できたらと思っていたんです。1人1万円とすると、1万人に少額資金を渡すことができる。サンプルとして充分。そういうイメージでいました。
バンク 光本勇介CEO
−−ところが、総額3億7000万円分の申し込みがきてしまった。再開するということは、目途がたったということですね。
休止中は、倒産したんじゃないかなんてことも言われましたが(笑)、この間3つのことをやっていました。ひとつは、再開したら大量にモノが集まるのでアウトソースして物流拠点を整えました。大量の商品を受け取れるスペースを確保した。
次に、前の仕様だと無尽蔵にお金が出ていくことになるので、1日にキャッシュ化できる金額を表示するバーをつくりました。日本中でキャッシュ化されていくとバーの残額が減っていって0になるとキャッシュ化できなくなる。翌日10時には満タンになってまた利用できるようになるという仕組みです。再開後初月は3億円ほどのキャッシュ化を予定しています。ですので、1日1000万円ですね。これでキャッシュも物量もコントロールできるようにしました。
−−3億円のキャッシュはどのように。
自己資本です。資金調達は今時点では考えていませんが、必要に応じて色んな手法で額面をどんどん増やしたいと思います。
そして最後の3つ目ですが、多くの人につかってもらったので改善した方がいいポイントが見えたので機能追加をしました。先ほどのキャッシュ化残高のバーもそうですし、評価制度も導入した。誠実に取引をしてくれたユーザーには高い評価をつけて、不誠実なユーザーには低い評価をつける。具体的な評価軸は非公開ですが、評価が下がれば査定額を低くしたり機能の利用制限をする。評価が高くなれば機能や、キャッシュ化上限の2万円の枠をはずすなど待遇を受けられるようにする。実際の待遇や利用機能については未定でこれから具体化していきますが、誠実な取引をする人にメリットをもたらす仕組みにしました。
質屋アプリでは尚更なくなった
−−キャッシュは現金化した後に2か月間の猶予期間があって、その間に「アイテムを送る」か「手数料を払ってキャッシュを返す」か選択できましたね。これをもって一部では「質屋アプリ」などとも言われていました。
やってみたら、実際にはアイテムを送った人が98%で、キャッシュを返すことを選んだ人は2%しかいませんでした。ですので、利用実績に基づいてキャッシュを返すサービスはとりました。それと、キャッシュ化した人の94%が1週間以内に発送していたので、2ヵ月の期間も2週間に変更しました。
(インタビューの続きは「リサイクル通信」の新聞で配信予定)
423号(2017/09/10発行)00面