第53回 交友録
片山 隆之氏の交友録
FING/かたやま質店 |
太田質店 |
時代に合った質店への創意工夫も
太田質店の太田啓介さんと岡山県質屋組合連合会で知り合ってもう20年ほどになります。1歳違いと年が近いうえ、太田さんはしゃべりやすくて面白い人なので、すぐに親しくなりました。彼は飲み会の段取りも手を挙げてやってくれるような気遣いの出来る人で、組合のムードメーカーです。
出会ったときはお互いに独身でしたが、それからほどなく2人とも結婚して、お互いの結婚式にも出席しています。太田さんの奥さんはしっかりした才女で、素晴らしい女性です。釣りでいえば、一番大きな魚を釣り上げた感じでしょうか。
太田質店は彼のお祖父さんが立ち上げた店で、太田さんは3代目。時代によって質草が変わっていく様子も見てきたし、宝石や時計など、様々な商品に関する知識も豊富です。以前、お店のホームページで「目利きのいろは」というコラムを連載していましたが、そこでは岡山県の特産品「烏城彫(うじょうぼり)」や「印伝(インデン)」の解説などもあって勉強になりました。印伝のデザインによく使われているトンボは「勝ち虫」と呼ばれて、戦国武将に好かれた柄だというのも、そのコラムを読んで知ったことです。
太田さんは例え老舗であっても、現代に合った質店に変えていかなければと、お店に観葉植物を飾るなど、新しい顧客にアピールするための創意工夫を続けています。そんな姿からも、負けてはいられないと良い刺激を受けています。
423号(2017/09/10発行)17面