中部リユース、中古家電を年間40万台再生
2017年09月22日
中古家電の再生を年間40万台手がけ年商38億円を上げているのが中部リユース(愛知県岡崎市)だ。同社は家具付き集合住宅で使用された商品の再生やメンテナンスを主に行っているが、これから事業会社や寮を対象とした住居備品のトータルサポートサービスを手掛けると言う。5年以内に100億円の売上高を目指す。
洗濯機や冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、カーテンなどの機能チェックや洗浄などを行い再生している
BtoB取引きで年商38億円
中部リユースは、愛知県岡崎市で総合リサイクル店として産声を上げた。今でも100坪で月商1000万円を売り上げる繁盛店を含む2店を運営しているが、現在中心となっているのが中古家電のBtoB取引きだ。
同社は家電リサイクル法が施行された2001年の時に、企業からの直接仕入れ開拓に動いた。廃棄にリサイクル料金が必要になったため、中古で買い取ってほしくなるはずと考えたからだ。家電量販店、運送業者、商社...様々な会社の門をたたく中である家具家電付き集合住宅運営会社と出会う。これが転機となった。当時その会社の管理戸数は25万室。現在管理戸数は55万室に増えており、その全てを同社が手掛けている。
カーテンだけで6億円の売上げ
この会社との取り組みは単純な中古買取りとは少し異なる。退去時のメンテを必要とする居室に、備品の再生処理を施して戻すのが基本のスキームだ。新品設置後7年経過すると中部リユースが全て買い取る。それを全国9拠点の工場でチェック・洗浄し再商品化して、「リンク品」としてその運営会社に販売する。リンク品とは、循環という意味だ。「年間平均40万台買い取りますが、その内約半数をリンク品として納品しています」(谷村尚則社長)
規定ランクに満たないものは、国内の提携リユース事業者や輸出会社に卸す。再使用に適さないものは資源リサイクルにまわしている。
この集合住宅運営会社とのパートナーシップで同社は成長を遂げてきた。信頼関係を構築し、家電だけでなく家具やカーテンまで担当している。カーテンだけでも年間6億円の売り上げを叩き出している。もちろんカーテンも、買い取った後に洗浄して縫製処理をして再生しているのだ。
全国に9拠点ある中部リユースの再生センター
住居備品のトータルサポート
中部リユースが成長の第二フェーズに向け、本腰を入れて取り組むのが、法人を対象とした住居備品のトータルサポートサービスだ。
423号(2017/09/10発行)24面