古着ネット販売のPLAYER(東京都台東区)が、ネット出品効率を大幅に高めている。専用の通販施設でオペレーションの改善に日々取り組み、1日の出品点数は900点を越えた。出品作業の簡略化と多能工化がポイントだ。
千円の商品でも利益生む
ネット出品・物流施設の「PLAYER BASE」は総勢22名のアルバイトスタッフが活躍している。常時15名ほどが出勤し、出品や発送を担当。
販路はヤフオク!、楽天市場、アマゾンなど合計4モール。出品スタッフには一人あたり1日120点以上の出品規定があるが、「150〜160点を出品してくれるスタッフもいます」(吉田祐支社長)。1日の出品点数は900点を越える。
出品の各工程を、簡単に素早く行えるようにしている(下図参照)。また多能工化もポイントだ。各工程に選任者を付けるのでなく、あるスタッフが撮影した商品は、出品登録が済むまでその本人が担当。どのスタッフでも一連の流れをこなせるため、ある工程が特定スタッフ不在によりボトルネック化することがない。そのため安定した出品数を維持できるのだ。
更なるオペレーション効率化や出品システム改良で、今期は年商4億円、前期比倍増を目指す。2017年6月期(前期)も、前年比倍増の約2億円で着地した。
低単価品出品で採算を取る
出品効率を高めた結果、1000〜3000円の低単価古着の出品でも採算が取れる。低単価品のネット出品はコスト負けしやすいが、同社は単価1000円の商品でも利益を生める。この場合、出品コスト(人件費等)は、単価に対し約2割に抑えられている。
①ストックヤード
1日に大量の古着と新古衣料が集まる。これを一時保管するのがストックヤードだ。ここからEC用、卸用、小売店用(今後オープン予定)に商品を振り分ける
②撮影棟 ここに注目!! 高速出品の舞台裏
ポイントは...
・出品作業の簡略化
・スタッフの多能工化
STEP 1 スマホで商品撮影(1品あたり15秒)
PLAYER BASEでは、写真撮影にスマホを使う。アルバイトスタッフの誰もが沢山の写真を撮れるからだ。「スマホでも良い写真は撮れる。一眼レフで100点満点の写真を撮るのは修練が要りますが、スマホで80〜90点の写真なら、入ってすぐのアルバイトさんでも目指せます」(吉田支社長)。1商品あたり複数枚の写真を撮り、データはまとめてSDカードに保存。画像結合用PCにデータを移す。
STEP 2 結合ソフトで画像制作(1品あたり5秒)
スマホで撮影した写真をPCに移した後は、専用の画像結合ソフトで加工する。1商品あたり6カット、よく撮れた写真を選ぶ。操作は、PC上のウィンドウに使う画像をクリック&ドラッグするのみ。これで、1枚の画像で複数カットを見せられる商品画像が完成する。
画像のクリック&ドラッグのみで、画像の結合が完了する
STEP 3 マクロで情報・画像の紐づけなど(1品あたり1分強)
商品情報と画像の紐付けを行うことで商品ページが完成する。商品情報はデータチームが入力し、1品あたり1分弱で進めている。各商品情報と結合済みの商品画像は、エクセルのマクロが自動で関連付けを行っている。そのため瞬時に紐付けが終わる。その後1品あたり15秒ほどでカテゴリ変更を行う。
【PLAYER BASEの概要】
所在地:千葉県香取郡多古町南並木589-1
敷地面積:1000坪
スタッフ在籍数:社員12名、アルバイト22名
商品入荷量(月間):10〜20トン+段ボール400箱分
ネット出品点数(1日):900点以上
出荷数(1日):400〜500件。今後1000件を目指す
ネット商品平均単価:3000円
427号(2017/10/25発行)7面