《全国ダーツの旅☆北海道》骨董から幸せ貰った男性客
2018年04月09日
リサイクル通信 全国ダーツの旅
~北海道 編~
ダーツの矢がささったエリアのリサイクルショップに取材するコーナー
古美術骨董 お董姫
骨董から幸せ貰った男性客 祭壇前の骨董はお礼の印
古美術骨董のお董姫(旭川市東光)には、2003年の創業以来、週に1度か2度来店し、帰る前に必ず何か購入してくれる80代の常連客がいた。男性は元鉄道警察隊の警察官。何不自由なく暮らしていたが、妻に先立たれた後、生きがいになったのが同店に通うことだった。
▲店内には昭和レトロな商品が所狭しと展示されている
「開店と同時にお弁当を持ってやってきて、夕方までおられることもありました。隣に住むお子さんたちは私と同世代なのですが、よく車でお客様を送り迎えされていたの で、ご家族とも顔見知りでした」
男性がお客となって約10年が経過した頃、「父が突然亡くなりました」と家族から電話がきた。前日まで店に来て元気だったので、北口誠二代表は驚いたが、家族は「父はお董姫さんで買ってきた骨董を家に飾るのを生きがいにしていました。父を幸せにしてくれて、ありがとうございました」とお礼を言われた。葬儀に行ってみると、祭壇の前には男性が購入した数十点の骨董が購入した日付やメモと共に飾られていた。
「私は前職で車のセールスをしていたのですが、その頃に『家どん船どん』という素晴らしい骨董店に出会い、そこで骨董を見ては元気をもらっていました。成績が上がらないときは、『よし、これを買うために稼ぐぞ!』 と気持ちを奮いたたせたものです。あのお客様にとって、当店がそんな存在であったとしたら、骨董屋冥利に尽きると思っています」
▲北口誠二代表
第436号(2018/03/25発行)19面