《全国ダーツの旅☆北海道》女性が購入即決した船箪笥
2018年04月09日
リサイクル通信 全国ダーツの旅
~北海道 編~
ダーツの矢がささったエリアのリサイクルショップに取材するコーナー
骨董の館 のとや
女性が購入即決した船箪笥 希少な時代家具を次世代へ
骨董の館 のとや(旭川市7条通)は、松倉敏光代表の妻がリサイクル着物や古布を扱う店を経営していることから、妻の紹介で骨董好きの女性たちが来店する。数年前、その中の一人、ある50代の女性が一目ぼれしたのが船箪笥だった。
▲店の外壁はレトロな看板で埋め尽くされている
船箪笥とは江戸から明治にかけて日本海海運で活躍した北前船(きたまえぶね)に積まれた箪笥だ。北前船は船主自身が商品を買って売買する北国廻船で、銭箱・印箱・証文箱などを入れる金庫の役割を果たしていた。
大切なものを人目に触れさせないよう「隠し箱」があり、複雑な構造となっている。引き出し一つ一つの鍵も違う。金具は匠工芸独自の黒染めで、火に強く美しい。100年以上を経ても光沢を放つ船箪笥の売価は150万円。その女性は購入を即決した。
「骨董に造詣の深いお客様だったので、説明しなくても価値がわかったのです。本来なら500万円の値札を付けてもいいものでしたから。当時は骨董ブームで、そういうお客様が大勢いらして下さったものです」(松倉代表)
今はその骨董ブームを牽引した世代が高齢となり、当時ほどの賑わいはなくなった。松倉代表は高齢のお客から時代家具や骨董などを買い取り、先人が残した希少な工芸品を次世代へ引き継ぎたいと考えている。
▲松倉敏光代表
第436号(2018/03/25発行)19面