ワールド ラグタグを買収 サスティナ株も46・6%取得
2018年04月13日
ワールド ラグタグを買収 サスティナ株も46・6%取得
アパレル大手のワールド(兵庫県神戸市)が4月2日、ブランド古着の「ラグタグ」を運営するティンパンアレイを子会社化したと発表した。同社はまた、ファッションレンタルサービス「サスティナ」を運営するオムニス社の株式も取得し持分法適用関連会社としたと発表。アパレル大手のワールドが、リユースやシェアリングサービスに取り組む。
リユース・シェアエコに参入
ワールドは子会社を通じ、ティンパンアレイの全株式を取得した。ティンパンアレイはブランド古着店「ラグタグ」を全国で13店展開。姉妹店として上質なアイテムを集めた「rt(アールティー)」を2店展開する他、掲載点数24万点のオンラインショップも運営している。2017年3月期の売上高は55億円で2018年は横ばい。その内30%がECによるもの。
「若い世代を中心にリユースやシェアリングエコノミーが注目されている。一次流通・二次流通の壁を超えて、ファッションの魅力を伝えていきたい」(ワールドコーポレートコミュニケーション部 脇本昌子氏)と狙いを説明する。
自社ブランド商品のリユース事業による補完が目的ではないと表明しており、ワールドの店舗で買取りをしたり、ワールドの余剰在庫をラグタグで販売するなどの予定はないと話す。
またワールドは3月30日付けでオムニスの発行済み株式の46・6%を取得した。オムニスはWEB経由の古着売買からサービスを開始し、現在はサブスクリプション型(期間利用に応じ料金を支払う方式)のファッションレンタルサービス「サスティナ」を展開する。
ワールドも兼ねてからレンタル事業を検討していたため協業を決めた。サスティナの開発力にも目をつけた。尚、2社とも社長は続投しワールドから役員が送り込まれる。
古着は、リユース専業者だけのモノではなくなりつつある。「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイは子会社のクラウンジュエルを通じて古着の通販を手掛けており、3月には他社も出品できる「古着のマーケットプレイス」に変えて見せた。オンワードは自社の古着を販売する「リユースパーク」を東京 ・吉祥寺とオンラインで展開している。一次流通と二次流通の壁を跨ぐ取組みが一段と進みそうだ。
▲ラグタグ原宿店の店舗外観
【ワールド】
アパレル大手。アパレルの製造販売を主な事業としている。2017年の売上高は2575億円で、資本金130億円。従業員数は連結で11479名である。タケオキクチなど数多くのブランドを国内外に展開。海外では中国・台湾・韓国・タイに店舗を持つ。また、ECサイトを展開、自社ブランドなどの衣料品を販売している。 1959年に設立、1987年には中国進出。1998年には東証二部上場、1999年には東京証券取引所及び大阪証券取引所市場第一部銘柄に指定された。その後、2005年に株式公開買い付けで上場廃止を行った。
【ティンパンアレイ】
ブランド中古品のセレクトショップ「RAGTAG」「rt」を全国に16店舗展開する。売上高は55億5806万円で、資本金9900万円。従業員数は408名である。ECサイトも展開し、買取り・販売を行っている。偽ブランド品の排除のために、偽ブランド品を展示する憎むべきニセモノ展を開催している。1985年に設立された。
第437号(2018/04/10発行)1面