ブックオフコーポレーション(神奈川県相模原市)が2016年3月期の決算で、5億円の営業赤字を出した。「古本だけじゃないブックオフ」を目指し、中古家電の取扱を本格的に始めたものの、計画通り買取りが集まらなかったのが主な要因だ。逆風が吹く中、どう巻き返していくのか。松下社長に聞く。
ブックオフの家電買取PRの映像が流れる店も
「必要な変革。方向変えるつもりない」
――売上高は前年比3%増の756億円だが、営業利益は上場以来初の赤字となった。
中古家電の取扱いを昨年春頃からテスト的に始め、同時に査定システムの導入・人員補充・プロモーションに20億円を超える先行投資を行った。第4四半期からは本格的に中古家電の売買に着手し、段階的に取り扱いを増やす計画だった。もともと準備期間という位置づけで減益は見込んでいたが、想定以上に商品が集まらずコスト増を吸収できなかった。
――中古家電の導入は失敗だったのか。
店舗の皆の頑張りを利益につなげられなかったこと、応援してくれる方たちに心配をかけたことは申し訳なく思う。でも、リユース市場は伸びているがそれは本やDVDじゃない。総合リユースへの脱却は必要な変革。それを進める上で大きな一歩を踏み出した1年でもあった。
――舵を切るのが遅すぎた、またはスピードを加速し過ぎたという思いは。
遅すぎたとは思わない。少なくとも、まだ全然間に合う。進めるスピード感については、振り返るともっと工夫できることがあったと思う。
中古デジタル家電を販売
年間1億人のお客にきっちり浸透させる
――全店で家電は買い取っているか。
大型総合リユースBSBでもブックオフでも、直営のほぼ全店で買い取っている。
392号(2016/05/25発行)20面