6000本の商品紹介動画
中古ピアノの販売方法を国内小売りに特化する、ユニークな会社がある。ぴあの屋ドットコム(京都府京都市)だ。ピアノは場所をとるため保管コストがかかってしまうと、海外輸出で卸を行い、回転率を高める企業が多い。そんな中、同社が小売りに集中できる秘訣は、イチオシ集客の「動画」にあるようだ。
動画では石山社長自ら、商品の説明や演奏を行う。1つの動画の撮影時間は8分ほど
7割が実物を見ずに
ネットから購入
ピアノ店がエンドユーザーに販売する際、ショールームで試奏をしてもらい提案する手法が大半だ。だが、ぴあの屋ドットコムは、ショールームを設けず、EC販売がメインとなる。顧客の7割は実物を見ることなく、ネットから購入するという。これによりショールーム運営にかかるコストや接客に要する人件費を抑えるほか、全国に客層を広げることができる。購入の半分以上は関東からだ。
商品単価は、シニア層に人気のヤマハのグランドピアノで100万~200万円に及ぶ。高単価品をネットでも購入してもらう意欲を高めるべく、注力しているのが動画作成だ。2008年から、ユーチューブに買取りしたピアノの紹介をする動画の投稿を開始。6000本以上の動画を掲載する。ホームページやSNSに動画リンクを載せ、どのような流入経路でもまずは動画を視聴してもらい、ネットの注文につなげる。
第598号(2024/12/25発行)17面