《最新技術を追う》研究者が語る宝石鑑定

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《最新技術を追う》研究者が語る宝石鑑定

2018年09月01日

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《最新技術を追う》

米国宝石学会(GIA)

ジュエリーの取引と切っても切れ ない関係にある宝石の鑑定・鑑別の世界。日々進歩する合成・処理技術に追いつくために、日夜研究が続けられている。そんな業界の最新事情を、宝石鑑定・鑑別を世界規模で行う、米国宝石学会(GIA)の東京ラボ代表責任者の高橋啓司氏に話を聞いた。

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▲東京ラボ代表責任者 高橋啓司氏

高橋氏が「今はサイエンスの時代」と語る宝石鑑定・鑑別。「人間の目で見て見分けるようなことをやっていた時代もあった」が今は違うと言い、同団体は最新機器を開発・導入している。これは近年、ダイヤを人工的に作り出す合成技術や、色などを変える処理技術が発展しているため。

天然、合成、処理を見分けるためには、経験だけでなく、科学的な分析が大きなカギを握る。高橋氏自身も工学の博士号を持ち、以前は同団体の本部で鑑定機器を開発していた。日々進歩する合成・処理技術を見破るにはサイエンスによるアプローチが不可欠だという。特にグリーンダイヤモンドの鑑定は難しいと言い、最新技術を持ってしても、天然か処理済みか判定不能との結果が出る場合もある。

鑑別ではダイヤモンド以外の宝石が、何の石であり天然なのか合成なのかといったことを判断する。一方、鑑定はダイヤモンドのグ レードなどを判断するものだ。ダイヤモンドの鑑定 は一般的に4C法が使用される。カラー、クラリティ(内包物の有無など)、カット、カラット重量の頭文字を取ったもので同団体が確率させた。通常のダイヤモンドはカラーが無色に近いほど評価が高い。

一方、鮮やかに発色するダイヤモンドについては、カラーグレードや処理の有無などの記載を追加したカラーダイヤモンドグレーディングレポートが発行される。鑑定書の取り違えを防ぐには、鑑定書とダイヤモンドにGIAレポートナンバーを照合する。また、詳細版のレポートの場合には、ダイヤモンドの形状やクラリティの位置が図で示されている為、そこから確認が可能だという。それでも不安な場合には、GIAに再度持ち込むことで照合を行うことが可能。「一番最悪なのは天然と合成が区別がつかず世の中に出回ってしまう」ことだと言い、日々技術を磨いている。

第446号(2018/08/25発行)10面

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