《トップINTER VIEW》セカンドストリートUSA 菊地 雅浩CEO、日本で安価な物が倍以上の値で売れる

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《トップINTER VIEW》セカンドストリートUSA 菊地 雅浩CEO、日本で安価な物が倍以上の値で売れる

2018年11月02日

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要約すると.ブルー.png

・ゲオホールディングス運営「セカンドストリート」が米に3店舗出店
・日本から現地に持ち出すことでヴィンテージに
・3店舗の売上好調に伴い、今後も米で事業拡大を狙う


ゲオ古着店を米国で3店展開

7-1.JPG▲セカンドストリートUSA 菊地 雅浩CEO

CEOプロフィール
菊地雅浩(きくちまさひろ)。1979年1月29日生まれ(39歳)、北海道札幌市出身。2003年3月、サンクル(現:ゲオ)入社。2004年3月より十勝地区エリアマネージャー、2006年1月より札幌地区エリアマネージャー、2007年4月より九州地区サブグループ長、2010年2月よりセカンドストリート(現:ゲオ)直営課課長を歴任し、2013年4月にM&Aを経てゲオ入社。
2015年4月に事業企画部ゼネラルマネージャーを歴任し 、同年11月に2nd STREET USA,Inc,CEO就任。2017年4月より海外事業部ゼネラルマネージャーを兼任している

今年1月にアメリカでオープンを果たした、ゲオホールディングス・古着業態の「セカンドストリート」。現在カリフォルニア州に3店を展開し、商品単価50~60米ドルを中心に日本ブランドを提供している。商品マーケティングや、商材供給、現地人材確保について、菊地雅浩CEOを直撃した。

3店全て違うスタイル何が成功かを見極める

ー出店は全てカリフォルニア州ですが、地域の選定理由を教えてください。

菊地 
訪米した際にバッファローエクスチェンジという古着店を視察しました。全米に50店舗程あるんですが、まずはこの競合の近くに出店すればお客様も認知してくれると思いました。米1号店はロサンゼルスのメルローズ店。ファッションの中心がニューヨークとロスだとすると、ロスは較的カジュアル。流行にすごく敏感で購買意欲が高い。メルローズアベニューは古着で有名な通りであり、僕らがまさにターゲットとしたい客層が固まっていると思いました。

ー各店舗の客層は。

菊地 メルローズ店は20代~30代前半。観光客も多く、ヨーロッパやアジア系が最近増えています。2号店のパサデナ店は、
ロスで商業施設が集まっている地域の中で、メルローズの次か3番目の賑わいを見せている。昼はアパレル中心に買い物をする富裕層のお客様が多く、メルローズよりも客層の年齢は高め。3号店のコスタメサ店は高速を使い1時間程離れた郊外。ロスで仕事をする人が住むような街です。ここは唯一モールに入っています。客層はパサデナよりもさらに上の方もいらっしゃいます。

ー店舗の広さは。

菊地 売り場はメルローズが75坪、パサデナが47坪、コスタメサが98坪。ターゲット客層も含め全部スタイルを変え、どれが一番成功するかを見極めています。

7-3.jpg▲メルローズ店オープン時の様子

マーケ強化し予想以上に好調

ー1号店の正式オープンから約10ヵ月。ここまで3店の感触はいかがでしょう。

菊地 予想以上に売れていますよ。特にメルローズ店はオープンまでに時間がかかったのでマーケティングを強化できた。そのお陰で、日本から持っていった商品がどんどんマッチしているんです。


ー具体的にどんなマーケティング方法を。

菊地 まずは販売も買取りも行わず。お客様を店内に入れて、「見て感想をください!」というのを繰り返していました。それで日本から在庫を持ち寄り、入れ替えを行っていきました。あとは昨年の7月から先行してEC販売を始め、売れ筋を見ていました。


ーどういった価格帯やブランドのものが売れ筋ですか。

菊地 商品単価は50~60米ドル。日本だと2000~3000円で基本推移するので、円換算するとその倍以上です。価格はそもそも自身があったので「安いよね」と言われるくらい。反響があったのは商品のバリエーション。「このブランド何?」みたいな質問が多く、それが良いのか悪いのかを聞き出し、現地の人が好きそうな商品に合わせていく。日本人と向こうの人の好みはかなり違い、僕らは最初その差を分かっていなかったんです。

ー予想外のヒットブランドは。

菊地 例えばAPEというブランド。猿がトレードマークで、何年か前にストリートファッションとして流行でした。今はちょっと下火なんですが、現在はBAPEと名称変更し、現地だとリブランディグされ好評。現地に日本で人気だったAPEを持っていくと「ヴィンテージだ!」と評価が高いんです。日本だと1000~2000円でしか売れない物が、向こうだと高く売れる。そういう意外性はありました。

ー当然日本から各店に商材供給しているんですよね。

菊地 ええ。アメリカのバイヤーが日本に取りに来るのと、アメリカ担当のバイヤーが日本に待機し、彼らが物流もやっています。現地でスタイルコードというものを商品に発番しています。これは分析のためにやっていて、そのコードごとにm調達する日本の商材について指示を出しています。

ー現地での買取りは。

菊地 勿論、3店でやっています。店舗の認知が付くまで、大体2~4ヵ月程は売上に対して買取額のバランスはちょっと悪い。認知が付くとやはり買取量は増えてきて、今メルローズだと日本の在庫よりも現地で買い取った在庫の方が売れ、逆転してきた。パサデナだけちょっと苦戦していますが、2店は販売に対しての買取りは順調です。

ー商品陳列での特徴。

菊地 ブランドを表記させて陳列するのは、日本のブランドで、現地のお客様が知っていそうな物、好みそうな物に限り選定しています。あとは商品1点ずつに「ジャパンブランド」タグを付けていますね。各店、全体の商品数は1万~1万500点。売場面積で言うとおそらく15~20%程しかジャパンブランドコーナーは設けてないですが、売上構成比は高いです。

7-2.JPG▲コスタメサ店外観

仕事のできる人に日米の気質に違いなし

ー現地スタッフの確保はどのように。

菊地 自然と集まった感じですね。オープン前の商品とかを見て来てくれました。向こうでは基本、時給制。あとはアシスタントマネージャーのように、責任に応じて時給アップしたり権限が付いたりしていくような。最初は皆、日本で言うアルバイトから入ってきます。スタッフは今合わせて40人くらいです。日本からの出向は5人で、全体を見ているマネージャーが1人、エリアマネージャーが1人、あと店舗に1人ずつ。現地で採用した人の中には既に4人がアシスタントマネージャーとなっています。

ーその中でリーダー的な人材を確保するのは難しくはないですか。

菊地 やはり難しかったです。最初はバイリンガルの人を探していました。言葉の壁と、あと経験が少ないことを考えると、
どうやって店を回していくかを一から教えないといけない。その時やる気やモチベーションって、アメリカ人と日本人は 違う気質を持っていると思ったんです。しかし実際、仕事ができる人って意識もやり方も日本人とそんなに変わらないなって感じました。今現地で社員として採用した2人がバイリンガルで、残り2人は英語のみ。でも普通にやりとりできています。この先も人材採用はしていきますし、僕らが指示して伝えたいことを理解できる人に店長とかを任せていきたい。しばらくそこには、僕らなりに努力は必要ですが、採用においてはバイリンガルにこだわってはいないですね。


ー今後、アメリカでの事業展開にはどんな考えを

菊地 今はカリフォルニア州だけですが、今後は全米各地での出店はしていきたいです。

第450号(2018/10/25発行)9面

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