第47回 中古携帯の輸出(1)
明けましておめでとうございます。本コラムもおかげさまで5周年目を迎えました。今年も少しでも皆様のお役に立てる情報を提供できるよう精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。
今回のテーマはズバリ「中古携帯の輸出」。以前から注目されている事業者様は多いのではないでしょうか。SIMロック解除時代到来の2016年一回目にふさわしく、アワーズおススメの機種と国を2回に分けてを発表します。
アップルブランドとグローバルな通信規格
携帯輸出の王様はなんと言っても「iPhone」。理由は世界中どこでも人気があり、ブランド化しているから。通信規格と様々な言語対応だけでなく、グローバルに同じモデルが発売されていることが大きな要因です。発展途上国では、iPhoneを持つことが富裕層のステータスになっています。当然日本でもご存知の通りAppleブランドの力は絶大で、スマホシェア約7割を誇り、地球上で一番売れている国に。
販売価格に目を移すと、国内では格安SIMとのセット利用需要が高いdocomo版が他キャリア製よりも高い。それに対して海外ではSIMロック解除が容易なau版が票を集めています。au版を海外へというのが高く売るテクニックの一つです。
iPhone以外には、海外で人気が高いサムスンとソニーが輸出対象おススメ機種です。サムスンは、Appleと中国メーカー・小米(シャオミ) に押されて世界的にシェアを落としているとはいえ、輸出需要は高いです。
この両メーカーの輸出で気をつけないといけないのが、グローバルモデルの存在。世界各国で日本発売されている機種と、同等スペックや形状を持つスマホが発売されています。各国もしくは地域により機種名称が異なり、日本のおサイフケータイのような独自の特殊な機能が搭載されている場合があるので、日本の機種と間違えないようにしましょう。販売時には現地との齟齬がないよう十分気をつけて下さい。
ソニー以外の国内メーカーに目を向けると、残念ながら海外での需要は高くありません。しかし、シャープやNECカシオなどのメーカーが、海外で独自のスマホを発売。富士通は欧州でらくらくホンを展開しています。そのような背景から、日本製も少しずつ人気が出てくる可能性はあります。
ちなみにガラパゴスケータイ、略してガラケーはSIMロック解除可能端末は数機種で、名前の通り国内需要が主と考えるべきです。
ここまで輸出おススメ機種を発表してきました。おススメの国はどうでしょうか?実はここ最近大きな変化が起こっています。長年たくさんの携帯電話を受け入れていた香港に陰りが見えているのです。原因ロジックは以下のようです。キャリア下取り端末の輸出などの影響で香港市場で供給過多
→ 香港や中国の相場が下がる
→ 日本国内から価格メリットが減少
これにより「携帯電話輸出=香港」という構図がもろくも崩れ去りました。
このような情勢の中で、アワーズおススメの輸出国は「シンガポール・フィリピン」です。その理由を次で詳しく説明したいと思います。
株式会社アワーズ
粟津 浜一 代表取締役
<Profile>
1979年12月岐阜県生まれ。2004年筑波大学大学院修士課程修了。ブラザー工業株式会社を経て、2009年株式会社アワーズを設立、社長に就任。中古携帯市場動向セミナーを数回開催。これまでに500以上店舗に中古携帯事業を展開、コンサルを行っている。
383号(2016/01/10発行)13面