食べることができたはずの食品が廃棄されること。いわゆる「食品ロス」の削減を目指し、一商社企業から産声を上げたのがNPO日本もったいない食品センター(大阪府大阪市)だ。同団体が展開する「ecoeat」(エコイート)は一昨年のオープンからのべ11店まで増えている。高津博司代表理事に事業モデルを聞いた。
食品ロス削減店を国内11店
ecoeat(日本もったいない食品センター)
高津 博司代表理事
賞味期限切れでも「安全・美味」確保寄贈支援で捨てない仕組み
── 日本では年間600万トン以上の食品ロスがあり、全国民が茶碗1杯分の食べ物を捨てているに値すると聞きました。
高津 この数字は農水省が発表しています。まだ食べられるものは財産であり、つまりはお金です。そのお金を捨てるために税金を使っているわけですから、それをもっと減らせば有効的にお金を回せるはずなんです。
── エコイートでは例えば、150円くらいの500ミリリットルの炭酸衣料が59円で売られているなどあります。これらは賞味期限(おいしく食べることができる期限)が切迫していたり、切れていたりするものなのですね。
高津 例外で野菜や総菜を扱っている店もありますが、基本は消費期限(期限を過ぎたら食べない方が良い年月日)ではなく、賞味期限が表記されているものを扱っています。300社ほどのメーカーや食品問屋から買取りまたは寄贈で提供していただき、市場売価の2割引から9割引くらいの価格で販売しています。飲料や調味料、お菓子全般、冷凍食品にレトルトなど色々です。
第510号(2021/4/25発行)9面