日本から送られたリユース品がカンボジアの一般消費者の手に届くまでには、多くの工程を経ています。写真の茶色い包みは1つ(1ベール)100キロで中身は古着。これを日本から40フィートのコンテナに252ベール積んで運ぶ。それを業者が仕入れる。その業者からセドラーがさらに仕入れる。そして消費者に販売される、という流れです。この流れを体系的にシステム化し、人にも地球にもエコなリユースの仕組みづくりに取り組んでいます。
日本から多くの古着が届く。1包(ベール)100キロに及ぶ
第3回 カンボジア編(後編)
スマホ普及もECがありません
その驚きの理由とは?
大量の古着が集まる
選別後にタイに流れる
タイとの国境近くにあるローンクルア市場では、きちんと梱包されたものから無造作に山積みになっているものまで、偽物ブランド含めて大量の古着がありました。ここで選別作業が行われます。カンボジアに集まった古着がタイに流れていき、さらにそこでジャケットだけ、ジーンズだけと仕分けされて、人の手に渡っていく仕組みが出来上がっています。ベトナムと同じく、このような国境にある隣国の需要を考えると、もっと大きな市場に感じました。
独自決済が足枷に
ECは伸びしろだらけ
カンボジアのEC事情は、結論から言うと、ECがありません。その理由は国内の独自決済システムの普及にあります。スマホの普及が一気に進み、QR決済はほぼ「ABA」のシステム一択。例えばAmazonでお買い物をしたくても、ABAが使えないから買うことができないわけです。いくつかECサイトはありますが、ユーザーエクスペリエンスが壊滅的。在庫の有無が不明、決済方法が不鮮明、出品者がサイトを利用しなくなっても商品が掲載されていたり、アプリで閲覧し購入しようとしても結局は電話対応などアナログな部分が足を引っ張り、普及しない原因になっています。
第555号(2023/03/10発行)17面