コクホー、卸会社がランドセルのサブスク

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コクホー、卸会社がランドセルのサブスク

2023年04月05日

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創業から80年を超える老舗鞄問屋のコクホー(大阪府大阪市)が2月からランドセルのサブスクサービス「RandS」を開始した。コロナ禍で小売店の休店が相次ぎ、卸せずに滞留したままの在庫を流通させて有効活用したい考えだ。この10年で値上がりしたランドセル相場もサブスク市場への参入を後押しした。

コロナの滞留在庫を有効活用

10年で1.6万円の高騰

コクホー 徹底した管理体制で良質なランドセルを供給徹底した管理体制で良質なランドセルを供給

庄山理恵事業担当によると、この10年で新品ランドセルの相場価格が約1万6000円も高騰したという。詳細は2011年で3万3593円だった全国平均が2021年には4万9565円になったというもの。高騰の背景には商品の多様化や、よりよいランドセルを探し求める「ラン活」の浸透などがある。一方でその分「ラン活疲れ」も表面化し、楽しいはずのランドセル選びが親にとっては負担になっていると担当者は見ており、新しい購入の形としてサブスクを提案している。同社によればランドセルの定額制サービスは国内で初。大量の在庫を保有する卸会社という強みを生かし、計250種類ものランドセルを用意した。その多くはコロナ禍で一時的に卸せずに滞留した在庫だ。眠った在庫を稼働させ、なおかつこれまで手薄だったエンドユーザーとの接点づくりも推し進めていく。「子どもの好みや体形は変化するもの。サブスクでいつでも変えられる良さを提供したい」と庄山担当。サービス開始から2週間ですでに200件以上の申込みがあった。

耐用年数が15年

プランは、バリュー・ベーシック・スペシャルの3種類。最も安価なバリュープランはひと月税込990円で利用できる。ランドセルは1ヵ月~3ヵ月に一度交換が可能。また3年間同じプランを継続利用すると使用中のランドセルを無料で譲渡する特典も付けた。これだけ強気な価格設定の背景には頑丈さというランドセルの特徴も影響している。担当者によるとランドセルの耐用年数は12~15年もあるという。加えてサブスク用のランドセルは、同社のアウトソーシング先で機械での除菌や手作業による表面の拭き上げなどの工程を経る予定のため、更なる長持ちも予想される。

コクホー 多様な色のランドセルが登場している多様な色のランドセルが登場している

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第556号(2023/03/25発行)15面

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