脱・毛皮で品薄 じわり高騰
2023年04月20日
米カリフォルニア州で毛皮製品の製造・販売の禁止法が1月より施行されるなど世界で脱・毛皮が進む中、日本国内のリユース相場がじわり上がっている。物量が絶頂期から半減となり希少性が高まっていることに加え、日本から中国への仕向けや訪日中国人の回復で商機が見え始めてきたことが大きいようだ。
ヤフオク!取引数、絶頂期の半分
主力は中国か、訪日回復で商機
古物市場で毛皮を競る様子。日本に現存するリユース毛皮の多くは中国に仕向けられているようだ
リユース品の相場に詳しいオークファンのデータによると、ヤフオク!などでの毛皮製品の取引数は2017年以降で見ると、19年の年間の取引数が6万4592件と過去最大だった。翌20年の年間の取引数は3万2754件と前年比で約半減、以降も絶頂期の約半分という状況が続く。
平均落札額を見ると19年が1万1782円だった。以降は、20年が1万131円、21年が1万2072、22年が1万3017円となり、じわりと上がり続けていることがうかがえる。
動物愛護の観点から19年にカリフォルニア州で毛皮製品の製造・販売を禁止する法律が可決された影響は大きい。同州以外でも毛皮製品の製造・販売から撤退するファッションブランドは広がっている。
第557号(2023/04/10発行)28面