東日本大震災から12年。被災地では震災、失業、コロナという三重苦に起因した孤立死が増えています。今回は震災で仕事を失って実家を離れた弟に代わり、90代の母親を一人で介護して見送った男性が、そのすぐ後に生きる気力を失って孤独死した事例をご紹介します。
母親介護した息子は孤立死
震災とコロナで孤立する被災者
「スマイルライフそらふねチャンネル」を開設し、動画をアップしている
ソラフネ(宮城県仙台市)が運営するスマイルライフそらふね(旧スマイルライフみやぎ)は、2011年の3月9日、東日本大震災の2日前に開業した遺品整理・生前整理、ゴミ屋敷の片付けなどを行う企業だ。
「震災から12年、ずっと被災者の方たちと関わってきました。震災から3年が経過したあたりからセルフネグレクト(自己放任)の案件が増加しましたが、コロナ禍後はその時(震災後)の数を上回っているように感じます」と語るのは鳥谷部剛明社長。2年前に依頼を受けた案件も、震災とコロナの影響が絡み合っていた。
第558号(2023/04/25発行)23面