CEコマースカオスマップ【2025年1月版】
2025年01月10日
昨今の持続可能なかたちで資源を利用する「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への移行が世界的に進む中、資源循環だけでなく、効率的な物品の利用を促進するビジネスとしてCE(サーキュラーエコノミー)コマースの重要度が高まっている。そこで、メルカリリコマース総合研究所とリユース経済新聞は共同で、該当企業の抽出と選定を行い、「CEコマースカオスマップ」としてまとめた。
メルカリリコマ総研×リユース経済新聞共同企画
CEコマースとは?
CEコマースとは、効率的な物品の利用を促進し、廃棄量を抑えるビジネスのこと。製品の製造事業者のみならず、リユースを含めた小売りやシェアリング、サブスク等の流通や修理、リファービッシュ、クリーニング等のアフターサービスが挙げられる。持続可能性の観点から世界的に循環経済への転換が迫られている中、資源消費の最小化や資源循環だけでは不十分とされており、CEコマースビジネスという新たな市場の構築が求められている。
このようにCEコマースは新たな市場であるため、どういった企業が該当するのか不明瞭な点がある。そこで市場の全体感を掴むため、視覚的にプレイヤーを表現するカオスマップを制作した。掲載企業及びサービスの選定は、実績面だけでなく、企業の知名度も加味した。尚、自動車や生産財を扱う企業及びtoB向けにサービスを提供し市場を支える企業は対象外とした。
3つのカテゴリに分類
カオスマップのカテゴリ分類は、大きく3つに分けた。1つ目は、「物品の稼働率を高める」。事業者や利用者が所有する物品を他の利用者が必要な時に一定期間提供することで、物品の稼働率を高めることができる。サブスクリプション、シェアリング、レンタルなどのサービスを指す。
2つ目は、「物品の利用期限を延ばす」。物品を回収や買取り、修理等を実施した上で、リユース品として販売する。使用済みとなった物品を、価値を見出す先に供給し、所有者を替えることで物品の利用期限を延長できる。こうした物品の提供者と利用者を効率的につなぐフリマアプリ等の「二次流通仲介」と物品の回収や買取りを行い、メンテナンスを施し、リユース品として販売する事業を行う「リユース」に分けられる。
そして、3つ目が、「物品の寿命を延ばす」。顧客が所有する物品の修理やメンテナンス等のサービスを提供、また使用済み物品に新たな付加価値を追加したり、一部の部品等を交換した上で新品と同程度の品質に高めることで物品の寿命を延長できる。リペアやリメイク、リファービッシュやクリーニング等のサービスがあり、主にファッションや電子機器の分野で利用が広がっている。
政府は2030年までに、循環経済関連ビジネスの市場規模を、現在の約50兆円から80兆円以上とする目標を掲げるなか、CEコマースビジネスが果たす役割はより大きくなっていきそうだ。
第599号(2025/01/10発行)14,15面