1位は2000店舗超え!リユース企業「チェーン店舗数」をランキングで紹介【2023年版】
2023年11月30日
リユース企業「チェーン店舗数ランキング」では、リユース業界専門紙「リサイクル通信」がリユース企業の実態を調査、チェーンで展開する企業の店舗数TOP15社をランキング形式で紹介します。
1:リユース企業・チェーン店舗数ランキングとは?
チェーン店舗数ランキングは、リサイクル通信が毎年1回、全国のリユース企業を対象に行う調査「中古(リユース)売上ランキング」をもとに、リユース企業のチェーン店舗数を紹介しています。
リユース業界でよく知られるチェーンとして、ブックオフやハードオフが挙げられます。その他にも、国内には多種多様なリユース店がチェーン展開しており、フランチャイズから直営まで、その業態は様々です。
「リユース売上ランキング2023」調査概要
調査概要:2022年度におけるリユース売上高を基に順位付けを行った。22年4月から23年3月までのいずれかを通期決算月として締めたリユース売上を22年度実績とした(一部企業においてはその限りでない)
調査期間・方法:2023年5~6月に、インターネットフォーム、FAX、電話、メールのいずれかで回答を受け付けた
2:売上ランキングTOP15社を紹介
ここからは、チェーン店舗数ランキングのTOP15社を紹介していきます。※印はリサイクル通信の推計値、正確な数字とは異なる場合があります。
15位 トリアイナグループ(屋号:こやし屋、ヒカル宅配買取) チェーン店舗数 123店
15位は、トリアイナグループです。東京都江東区に本社を構えます。出張買取の有力企業ながら、2022年より展開する買取専門店「こやし屋」を展開し、買取専門店の有力企業にもなりつつあります。チェーン全体のリユース売上高は140億円。
14位 テイツー(古本市場、ふるいち) チェーン店舗数 138店
14位は、テイツーです。岡山県岡山市に本社を構える上場企業で、ゲームやホビーに強い「古本市場」を138店舗展開しています。チェーン全体の売上高は168.9億円。トレーディングカードのブームに伴い成長が続いています。BtoBサービスの拡充や、名古屋の「買取王国」店内にインショップ型で展開するなど、企業間のコラボレーションにも力を入れています。
13位 バリュエンスHD(なんぼや、ALLU) チェーン店舗数 164店
13位は、東京都港区が本社のバリュエンスHDです。買取専門の「なんぼや」、販売の「ALLU」をそれぞれ展開。買取価格よりも買取体験に重きを置くビジネスモデルで急成長を続けています。海外進出にも力を入れており、2023年秋時点で38店舗を展開しています。チェーン全体の売上高は633.8億円。
12位 コメ兵HD(KOMEHYO、ブランドオフ) チェーン店舗数 180店
12位は、名古屋市内に本社を置くコメ兵HDです。ブランド品買取の最大手で、チェーンの売上高は633億円に達します。インバウンドの回復により追い風を受けており、25年度に売上高1000億円、営業利益55億円、営業利益率5.5%まで引き上げる計画を立てています。
11位 エコリングHD(エコリング) チェーン店舗数 185店
11位は、エコリングです。兵庫県姫路市に本社を構え、関西や関東を中心に買取事業、ブランド品専門店運営、インターネット販売などの事業を行っています。また、骨董、道具とブランド品のネットオークションにも参入しています。チェーン売上高は411.4億円。
10位 BuySell Technologies(BuySell、わかば) チェーン店舗数 200店(推計)
10位はバイセルテクノロジーズです。同社は出張買取を強みとしてきましたが、2022年に「WAKABA」運営のフォーナインを傘下に加えたことで、約170店舗が傘下に加わり、一躍チェーン店舗数ランキングに躍り出る事になりました。現在は「BuySell」屋号の実店舗も積極的に出店しています。チェーン売上高は337.2億円。
関連記事:【速報】バイセル、買取店WAKABAのフォーナイン買収に基本合意
9位 アップガレージ(アップガレージ) チェーン店舗数 224店
9位にランクインしたのは、本社が神奈川県横浜市にあるアップガレージ(旧クルーバー)です。車やバイクのパーツの買取販売、また本体の買取などを行っているアップガレージを運営しており、チェーン売上高は220億円です。
8位 FTC(かんてい局・リサイクルマート) チェーン店舗数 225店
8位は、FTCです。本社は岐阜県大垣市にあり、古物売買や質屋業を事業の軸としてリサイクルマートや質屋かんてい局を全国展開しています。質店のFC展開は珍しく、チェーン売上高は261.1億円。最近では買取専門のリサイクルマートも精力的に出店しています。
7位 トレジャー・ファクトリー(トレジャーファクトリー 等) チェーン店舗数 248店
7位は、トレジャー・ファクトリーです。東京都千代田区に本社を置き、リユース事業として、家具や家電、古着、ブランド品、おもちゃなど幅広く取り扱うトレジャーファクトリーを運営し、チェーン全体の売上高は302.4億円です。またライフサポートサービス、オークション事業、などの事業を展開しています。
6位 大黒屋(チケット大黒屋) チェーン店舗数 250店(推計)
6位は、本社を東京都千代田区に置く大黒屋です。オレンジ色の看板が特徴。バッグや時計などのブランド品や、ジュエリー、洋服などの買取、販売や、質業を行っています。また、同社が運営しているチケット大黒屋では、公共交通機関の切符や野球観戦のチケット、遊園地や水族館などのアミューズメントパークのチケットなど幅広いチケットを扱っています。
5位 エンパワー(買取大吉) チェーン店舗数 700店(推計)
5位は、エンパワーです。店舗数は6位以下を突き放し、700店舗に。本社を東京都新宿区に置き、FC事業として「大吉」の加盟店募集や開発、運営、独立開業支援サポートや、コンサルティングなどを行っています。また、同社運営の買取専門店「大吉」ではジュエリーやブランド品、カメラや携帯電話などの買取を行っています。チェーン売上高は263.2億円。
4位 ブックオフグループホールディングス(ブックオフ・ブックオフスーパーバザー 等) チェーン店舗数 800店
4位は、ブックオフグループホールディングスです。本社は神奈川県相模原市にあり、ブックオフなどで中古書籍やDVD、ゲームを買取販売するほか、ブックオフスーパーバザーなどで中古アパレルやスポーツ用品などを取り扱っています。海外に向けた出店にも取り組んでおり、欧米への「BOOK OFF」、東南アジア・中央アジアに「Jalan Jalan Japan」を展開します。
3位 ハードオフコーポレーション(ハードオフ・オフハウス・ホビーオフ 等) チェーン店舗数 898店
2位は、ハードオフコーポレーションです。本社は新潟県新発田市にあり、リユース事業を軸に、ハードオフ、ホビーオフ、ガレージオフなど、7業態の多店舗展開を行い、それらのフランチャイズ事業も行っています。また、ブックオフコーポレーションともフランチャイズ加盟契約をしています。
2位 いーふらん(おたからや) チェーン店舗数 1013店
2位は「おたからや」のいーふらんです。本社は神奈川県横浜市にあり、全国に約1000店舗の買取専門店を展開、チェーン全体の売上高は701.2億円に達します。
1位 ゲオホールディングス(ゲオ・セカンドストリード・OKURA 等) チェーン店舗数 2023店
1位は、愛知県名古屋市に本社を置くゲオホールディングスです。2位とは1000店舗以上の差をつけて1位にランクインしました。メディア事業として、映画、音楽、ゲーム、書籍、モバイルなどを扱うゲオショップと、リユース事業としてセカンドストリートやジャンブルストア、「OKURA」などを運営しています。チェーン売上高は1996.4億円で、業界一位です。
3:2023年調査から見えた変化
中古チェーン店舗数は、1位のゲオHDが独走状態となっています。3位のハードオフは従来の屋号に加えて「アウトドア&スポーツ」「工具館」「PC専門館」など専門業態を複数開発し、集客力を高めています。ブックオフGHDはブックオフスーパーバザーを拠点にトレカ商材の強化やレンタルサービスの開始など、本に留まらない取り組みを続けています。海外展開や、地方への古書の寄付などにも積極的です。
「チェーン店舗数ランキング」にランクインする企業は、20年以上の継続的な出店や、小型店をスピーディに展開する継続力もしくは瞬発力のある企業ばかりです。今後店舗数の拡大を目指すリユース事業者にとって、こうした大手企業とどのように差別化を図るかが鍵となります。
また、FC本部が古物市場に参入する動きも活発です。FTC、エンパワーはそれぞれ独自の入札式市場を2021年より開始。おたからやも2022年から開始しています。独自の流通網を確保することで加盟店を増やす思惑がありそうです。
4:まとめ
本調査ではチェーン店舗数についてまとめました。ゲオ・ブックオフ・ハードオフといった小売店のほか、買取専門店を主力業態とする企業も15社中6社入ることになりました。買取専門店が小売をする、もしくは小売店が買取専門店を出店するという動きも活発です。
またその他の店舗もM&AやFCの加盟店増加などで徐々に店舗を増やしています。一方で数店舗〜数十店規模のリユース企業がM&Aで買収されるなど、統廃合も活発になっており、上位企業においてはM&Aによって順位の変動が起こることも十分考えられます。
今後のリユース業界の動きも、ますます注目が高まりそうです。
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