読者の皆さんはじめまして、AMBソリューションズ代表取締役の山口桃子と申します。今回から人材まわりに関するコラムを執筆することになりました。リユース業界が成長する中、企業が直面している課題のひとつが「人材」です。採用競争が激化するとともに、採用した人材を戦力化し、成長を支援する重要性が増しています。本連載では、採用・育成・評価・福利厚生といったテーマを通じて、リユース企業の現場で役立つ情報をお届けしていきます。
採用弱者のリユース企業が取るべき戦略とは?
私は前職ではジュエリーを主力商品とするリユース企業にて人事および店長職に従事。「宝飾品の買取価格が業者によって5倍の格差がある(大手メディア調査結果)」こと、実際に専門性が低い人材が査定を行うとモノの価値を下げてしまうケースがあることを知りました。顧客の想いと商品の資産性、どちらも受け止めて正しく価値判断できる人材は、顧客満足度が高いと確信。スキルマップを作成し、研修制度や評価制度の構築に尽力しました。この経験から"人材が企業の価値を大きく左右する"ことを痛感しています。現在はリユース業界に特化した人材支援会社の代表として、企業と求職者の架け橋となるべく活動しています。
リユース業界の採用市場には、いくつかの特徴的な課題があります。まず、業界の認知度が低いため、成長性や社会的意義を伝える採用ブランディングが求められます。某大手転職サイトの求人倍率は3.15倍(2024年12月)と高く、「求人を出しても応募がこない...」という状態にある企業様もいらっしゃいます。それでもここ数年、メディアでの注目度の上昇に伴い、大手以外でも新卒採用や大量採用を成功させる企業が増えています。
第601号(2025/02/10発行)13面