JRAA、リユース業界リーダーズフォーラム開催
2015年11月20日
日本リユース業協会(JRAA)が10月21日、『リユース業界リーダーズフォーラム』を開催した。第一部はハードオフコーポレーションの山本善政社長が「ハードオフ流経営とは」と題して講演。第二部ではコメ兵の石原司郎会長、トレジャー・ファクトリー野坂英吾社長、ゴルフパートナー石田純哉社長が、「事業成長のために大切なこと」をテーマにパネルディスカッションを行った。
「中古業は黙っていても社会の役に立つ」
「目をつぶってみてください。人類最大の発明は何だと思いますか?」
第一部の講演は、ハードオフコーポレーションの山本社長の呼びかけで始まった。
「私はお金だと思います。日本でお金の話をすると汚いと言うが、私は国立印刷局の工場にお金をつくっている所を見に行きました。お金にはキレイも汚いも無いと思った。儲け方と使い方にキレイと汚いがあるだけ」
同社の前身は、新品オーディオとPCの店だ。値引きを要請するお客だけ得をするアンフェアなビジネスだったと振りかえる。バブル崩壊で「売上げは前年の5掛け、会社がつぶれ自分も死ぬかもしれない」という苦境を経験し、世間からNOと言われているのだなと悟ったと言う。
そして、ゼロから考えつくったのが総合リユースのハードオフだ。今や、店舗数は802店、売上げで492億円にのぼる。山本社長はリユースを「黙っていても社会の役に立つビジネス」と表現。毎年30兆円の新品商品が買われ、モノがどんどん累積しているのに、人口は減っている。「あふれるモノ」を解決する中古業は、ローリスクハイリターンで展開可能と力説した。
トレファクは創業から上場目指した
第二部のパネルディスカッションでは、パネラーが事業成長の「鍵」を明かした。
トレファクの野坂社長は、「創業から上場を目指したこと」だと話す。
野坂社長は23歳で会社を立ち上げ、実際に東証一部上場を果たしている。
曰く、上場を意識することで節税を考えずに済んだのが良かったと言う。節税を考えると、利益を抑えようとするバイアスが働く。しかし、同社は上場を見据え、利益が公開され評価されるあり方を見続けていたため、パフォーマンスを制限することが無かったと語る。躍進は続き同社は10期連続増収増益だ。
350人と半年に1回面談
トレファクの野坂社長は、従業員が350人の時まで、半年に1回全員と面談を行っていたと言う。仕事の7割が面談という時期も。さすがに500人になったのでマネージャークラスに役割を委譲したが、コミュニケーションをとり、人財を活かすことを重視する姿勢は変えない。
379号(2015/11/10発行)20面