gengo(ゲンゴ)、低額・高速翻訳で外国人客も越境ECも対応
2017年02月21日
商品力はあるのに世界に打って出られない。そんなリユース店の目前に立ちはだかっているのは、言葉の壁だ。
翻訳のクラウドサービスgengo(以下、ゲンゴ)には2万1000人の翻訳者が登録しており、低額でスピーディーに、この壁を乗り越えさせてくれる。国内外のリユース企業が利用している注目のサービスだ。
ゲンゴは、オンラインで24時間翻訳者に仕事を依頼できる。1時間以内に翻訳着手が可能で、95%以上の翻訳が平均3時間で完了する。短い文章ならさらに高速だ。
1文字から数百万字以上まで、上下に発注ボリューム制限が無いのも特徴だ。
外国人観光客に対応するための案内板や短文のPOPの翻訳依頼も可能だし、ネットショップの商品説明を翻訳してもらうこともできる。アメリカや中国からの問い合わせメールにも、ひるむことなく対応できる。
ゲンゴの得意分野は、「EC」と「旅行」と「メディア」。国内のリユース事業者も、ECを行う企業を中心に、メディアやブランド品を扱う中堅・大手が既に利用していると言う。
コストは従来の半額
翻訳サービスは従来からあるが、ゲンゴはコーディネート役の専門会社を仲介させないことで、価格がおさえられている。スタンダードなものだと1文字5円、ビジネスレベルでも1文字9円。従来の翻訳サービス相場のおよそ半額程度だ。
もしかすると、1点ものの中古品を売るためにこのコストは重く感じるかもしれない。しかし、同社のマシュー・ロメインCEOによると、「翻訳がビジネスの成長に重要と考える企業は、機械翻訳と人力翻訳をミックスして使っている」と、実例を元にレクチャーする。
宝石や時計など高額商品は人力で翻訳し、低価格の商品は機械翻訳といったふうに使い分けているのだ。
また、機械翻訳より、人力翻訳がSEO上評価されやすいため、検索を重視する場合はゲンゴのような人力翻訳を選択するケースがある。
システム連携で簡易に
大量かつ定期的に翻訳を行いたい場合は、システムをAPIでつなぐ方法がおすすめだ。
例えば中古の宝石や時計を中心に扱うオランダのオークションサイト運営会社は、母国語で商品説明を入力後、翻訳したい言語選択のボタンを押すと、自動的に翻訳依頼が行われるよう改修した。
フランスのファッションリユースのネット企業もシステム連携を行っている。大量発注するので、価格がさらに抑えられるというメリットもある。
インバウンド、越境EC、海外進出等外国人対応の際、強い味方になりそうだ。
409号(2017/02/10発行)11面