退職後第二の仕事にリサ店を
60代になってもアクティブに働ける人は少なくないが、退職後に再就職の場を見つけるのは容易ではない。PuPu(埼玉県東松山市)は60代の仲間たちが集まり、起業し、活躍しているリサイクルショップだ。ITも駆使しにぎわいを見せている。
PuPu外観。イラストも全て手書きだ
「わたしにとっては、気の合う仲間たちと過ごせるとっておきの場所なんです」と話す、かつた繭美店長は65歳だ。同店は60代以上の仲間たちが中心となって立ち上げた。レディース古着をメインに取り扱う。
60代に突入し、退職する仲間たちが増えた。「現役時代はバリバリ働いていた人が揃っています。そんな気の合う仲間たちと何かできないかと、色々考えていたんです」。
かつた店長がこだわったのは、無から有を生み出せるビジネス。リサイクルショップは初期投資も比較的小さく、ハードルが低かったと言う。
「贅沢は望んで無いんです。楽しくできて、微力でも世の役にたてて、年金とは別に一人数万円くらいお小遣いができれば」
店舗は以前かつた店長が飲食店を営んでいた場所を、自分たちで改築した。もちろん、什器やポップも手作りだ。買取のビラも、夏の暑い日に皆で一軒一軒ポストに入れて回った。
その結果買取りは大盛況。オープンまでの3ヵ月で店内800点に加え、70㎡倉庫1つ分の在庫も確保できた。
接客は、かつた店長の役目。カラーコーディネーターの資格を活かし、お客にオススメしている。「例えばおんなじ黒でも、その人の肌の色にあった黒味があるんですよ。それをアドバイスしています」。ざっくばらんな接客が人気で、1時間、2時間は平気でおしゃべりしていくお客が多い。
かつた繭美店長(右)と旦那さんの勝己さん
フリルやメルカリも駆使
オープンから半年たち、運営のスタイルも確立できた。ネットを駆使するようになったのだ。
「思いのほか良いものが集まり当初の価格設定より高価なものも。限られた商圏ではなく、ネットで全国に発信しようと思ったんです」。使うのはヤフオク!・アマゾン・フリル・メルカリ。主導するのは旦那さんの勝己さんと、元警察官の男性スタッフ。「若者受けしそうな華美なデザインはメルカリに、少しマニアックな物はアマゾンに」といったようなコツも掴んできたと言う。
それまで女性ブランドなど興味がなかった勝己さんだが、「ブランド名を調べて色々学ぶのがおもしろいんです」と今ではスマホを駆使している。
411号(2017/03/10発行)13面