大黒屋HD、ブランドオフ買収 業界再編か
2017年06月26日
グローバルナンバーワンへ
質とブランドの大黒屋ホールディングス(東京都港区)が6月15日、ブランドオフを買収すると発表した。国内と香港、台湾に50店を展開するブランドオフとの協業で拡大を図る。ブランドリユースと質事業での世界ナンバーワンを目指す。
業界再編の足音
大黒屋HDの子会社のSBOが、ブランドオフの発行済みの全株式を取得する。SBOには、中国のCITIC社が30%出資を行う予定。取得額は今後のデューデリによって決定するが、株式取得と事業再構築のための追加出資の合計で20億円を上限とする。最終契約は8月末頃を予定している。
ブランドオフの負債も大黒屋HDが引き受けると日経新聞が報じている。ただし、ブランドオフの安山勉社長は報道内容に関して「具体的に内容は煮詰まっていない」としており、大黒屋HDも「当社が発表したものではない」(総務)と肯定していない。尚、ブランドオフの2016年度売上高は204億円と見られる。
ブランドオフは国内と香港、台湾に50店を展開しており、400名を超える従業員を擁している。協業を行うことで、大黒屋HDはグローバル展開に不可欠な鑑定力が増強できることになる。
これから二社は、最適な店舗体制の構築や運営の効率化などを行う。ブランドオフが手掛ける中古ブランドの業者間オークションについても、共同運営や海外展開を検討している。同オークションは、銀座や金沢、オンラインで開催しており、年間流通高は合計150億円ほど。
その他、ASEANや米国への販売店舗出店、フランス・イタリアと米国でのブランド品買取り事業拠点の設置なども協議している。
インバウンド需要の減退で、国内のブランドリユース市場は陰りを見せている。その中で二社は国境を超えて成長を目指すという思惑が一致している。
業界トップのコメ兵の連結売上高は401億円。大黒屋ホールディングスは同206億円で、ブランドオフの売上高を合算するとトップに躍り出る可能性がある。
418号(2017/06/25発行)1面