《骨董買取の技法23》着物・掛け軸・洋食器からがオススメ

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「骨董買取の技法」

《骨董買取の技法23》着物・掛け軸・洋食器からがオススメ

2017年07月17日

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骨董買取の技法 第23回

骨董品買取は夢のあるビジネス

皆さんは、1点1000万円以上の品物を今まで何回ぐらい扱ったことがあるでしょうか?骨董商や地金の買取業者以外の方は、あまり無いかもしれません。当社ではここ数年で5回はあり、それらは全て中国の品物です。どこにあったかと言うと、東京及び東京周辺の「Y市のフィクサー」、「数千億円規模の会社の経営者」など富裕層のご家庭です。普通の家から出たことはありません(特に古い中国の書画骨董)。

中国の業者に1000万円以上で売れた画帳の一部中国の業者に1000万円以上で売れた画帳の一部。その業者は中国国内で、倍以上で売った。

なぜこんな話をするかと言うと、骨董品の買取というのは本当に夢のあるビジネスです。数百万円なら、時計やブランドの世界でもしばしばあると思いますが、1000万円を超える商品はなかなか無いと思われます。骨董の世界には、1000万円以上の商品が年間数十点必ず出てきます。それは何か?前述した「中国の骨董品美術品」と「現代アート」です。ですから、骨董品の買取をしている皆様にはこれらがどうすれば、仕入れられるかを考えていただきたいのです。世界的に見た場合、現代では「空前の金余り」とそれに伴う一部の「資産バブル」が起きています。我が業界においては、「中国骨董」と「現代アート」がその両輪となって、バブルを牽引しています。これらを念頭にいれない骨董品の買取は、普通の買取ビジネスと変わりません。それらの品物をいかにサルベージしていくか、常に我々が考えていることです。今この時代に、この業態に携わっているだけで、幸運なのです。

「骨董品」というと、難しいと感じるかもしれません。しかし、時代に合わなくなって人々が手放したいと思っている品物もあります。つまり先ほど触れた両輪という時代についていけず、こぼれ落ちていく分野が出てきます。その代表といえるのが、「着物」と「掛け軸」です。私はこの辺りから始めるのがベターではないかと思います。知り合いの業者の着物の査定の様子を見ていると、「本当にこれで納得するのか」というような値段の査定です。恐らくは、購入価格の1/100から、1/1000だと思います。そしてちょっとでも汚れがあれば、0査定。しかし成約率は、恐らく80〜90%。

そして掛け軸も残念ながら同じ運命で、軸を扱っている業者や市場はどこも青色吐息です。これらは素人の方が扱っても、壊れることがありません。これもこの分野からのスタートを薦める理由です。

しかし、このような何年か先には無くなる可能性のある品物は扱いたくないという方もいるかもしれません。そのような方には、現代のマイセンなど洋食器類や柿右衛門などの現代陶芸作家の作品がお薦めです。

この連載も今回が最後です。このような場を与えて下さったリサイクル通信様には感謝いたします。また、この拙い文章に最後までお付き合いいただいた読者の皆様にも、感謝いたします。

藤生 洋藤生 洋

<プロフィール>
昭和42年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、ロッテの財務部で勤務。サラリーマン時代から骨董市に通う。歴史好きが高じて平成11年、31歳で起業。ネットオークションや骨董市で骨董品の販売をはじめる。平成13年には「(有)北山美術」に改称。平成24年には骨董の業者間オークション「弥生会」を3社共同で立ち上げ、会員数200社の規模に拡大する。現在は店舗と事務所を東京・千葉・札幌に展開している。骨董店での修行無しに独自に事業を軌道に乗せた手腕が話題になり、 2冊の著書を上梓。

419号(2017/07/10発行)6面

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