第51回 交友録
川邊 忠之氏の交友録
かわべ質店 |
あき質店/ユーズドエー |
見習いたい攻めの姿勢
あき質店・ユーズドエーの秋本健吉さんと出会ったのは20年以上前になります。神戸で全国質屋組合連合会が開催した関西ブロックの大会があり、 同い年ということもあって、ウマがあいました。
その後、大阪にあるジュエリー・ビジネススクールに2人で通い、香港やタイのバンコクへ研修旅行に行ったことで、公私共に親しくなりました。店が和歌山と岡山なので、商圏がかぶらず、気が許せるのが良かったのかもしれません。
秋本さんは大学卒業後、大手ゼネコンで設計士をしていました。将来を嘱望されていたようですが、質店を経営していたお父さんが糖尿病で壊疽になり、両足を切断する事態になりました。その話を聞き、60代のお母さん一人ではお父さんの介護は難しいだろうと、家族と共に倉敷に帰る決断をしたそうです。
出会った時は会社を辞めて質業界に入ったばかりで、右も左もわからない状態でした。ですが、秋本さんは異業種の経験を活かし、斬新な発想で攻めの経営ができる人なのです。例えば、小売に力を入れていこうと、倉敷駅近くの商店街に2店舗目のユーズドエーを立ち上げたのも秋本さんです。
オープン当初は商品を大量に仕入れるお金がなくて、ブランド品の箱をディスプレイするなど苦労したそうですが、今では立派な店に成長しました。そうした攻めの姿勢を貫いている姿から、私も常に良い刺激を受けています。
419号(2017/07/10発行)17面