第55回 交友録
森田 成史氏の交友録
大八商店 |
西村質舗 |
失敗もオープンに話す人
西村質舗の西村信男さんとは20年前に神戸質屋協同組合の青年部で知り合いましたが、当初は仲間の一人といった付き合いでした。
親しくなったきっかけは、2002年にサッカーのワールドカップが開催された時と、翌年に阪神タイガースが優勝した時に、組合員数名がお互いの家で一緒に観戦したことです。西村さんはバスケ、私は野球をやっていて、二人とも大のスポーツ好きなのです。
その後、西村さんから「息子のキャッチボールの相手が上手くできないので、相手をしてくれないか」と頼まれ、夏休みの早朝に3人で野球の練習をするようになりました。そのうち、仲間が徐々に参加するようになり、最終的には野球チームを結成しました。
ユニフォームを作って、他のチームと対戦したのですが、負けてしまいました。それで気が済んで解散したのですが、それまでの盛り上がりがすごくて、いい思い出です。
一緒に野球をやった息子さんは素直で素敵な青年で、医学部の学生になりました。西村さんは「そんなに勉強せんでええよ」とプレッシャーをかけないので、それがよかったのかもしれません。
仕事でも自然体で人間味があり、自分の失敗もオープンに話してくれるので、人に安心感を与えます。お互い22年前の阪神・淡路大震災で店が被災し、建て直しに奮闘してきましたが、そんな苦労を感じさせない明るさと面白さがあり、そこが西村さんの最大の魅力だと思っています。
425号(2017/10/10発行)13面