第68回 携帯電話修理の現状④
ボトルネックは部材入手&修理技術
携帯修理特集は今回で最後です。修理事業参入の方法(自社単独かFC傘下に入るか)の前に、修理ビジネスのボトルネックを確認してみましょう。
ボトルネック
①修理部材の入手方法
A:中古品から正規の部材を手に入れる
基本は自社の買取分で賄いますが、足りない場合には同業他社やヤフオクなどから動作不良品を仕入れましょう。
B:非正規の部材を手に入れる
非正規部材は海外(香港や深センなど)から仕入れます。ただ、部材には品質ランクがあり、コピー品も存在しています。部材ランクは部材価格とのトレードオフになります。コピー品を使うと商標法に抵触するので注意が必要です。
②修理技術
無償の修理講習を利用したり、YouTubeにアップロードされている修理動画を見ればなんとなく修理ができてしまうというイメージが強いです。ただ、実際にやってみると技術の奥が深いです。しっかりと修理のレクチャーを受けて、反復練習が必要です。また、新機種が出る度に修理方法をアップデートするのも重要ですね。
●この2つのボトルネックから単独店にするかFCに加盟するかを以下の表から検証してみます。
FCは加盟金や月額費用がかかるため、自社で部材入手や技術を学べるのであれば自社で行った方がいいです。
ただ、集客や接客ノウハウがFCにはあるため、事業の立ち上がりスピードはFC加盟に分があります。
自社でやるかFCに加盟するか、各社の状況に合わせての事業決断をオススメします。
最後に・・・
携帯修理は、他の接客業と違う点があります。それは、お客様から「ありがとうございました」と言われること。誇りを持てる仕事だと修理スタッフからよく聞きます。
携帯市場
粟津 浜一 代表取締役
<Profile>
1979年12月岐阜県生まれ。2004年筑波大学大学院修士課程修了。ブラザー工業株式会社を経て、2009年株式会社アワーズを設立、2017年に株式会社携帯市場へ社名変更。中古携帯市場動向セミナーを数回開催。これまでに500以上店舗に中古携帯事業を展開、コンサルを行っている。
429号(2017/12/10発行)6面