新しい市場に生まれ変わる。
二次流通は可能性だらけ
バンク(東京都渋谷区)は2017年6月、即時買取サービス「キャッシュ」をリリース。初日の開始16時間で3.7億円分の申込みが殺到し話題を呼んだ。その後サービスの一時停止・再開、改良を経て、数十万人のユーザーを擁する買取アプリにまで成長を遂げている。光本勇介CEOは今後の中古市場において「既存の仕組みではない新たな手法によって、新しい二次流通市場が生まれていく」と予想する。
代表取締役兼CEO 光本 勇介氏
メルカリの登場で〝個人に物を売る、個人から物を買う〟文化ができた。それによって中古市場が活性化し、二次流通品の流動性がより高まりました。
キャッシュが目指しているのは「物を売る手段を究極的に簡単にする」ということ。物を売るために必要な工数を可能な限りゼロに近づけたい。一般的なフリマアプリは写真を撮る、文章をつくる、出品する、価格交渉が入る、売れる、発送する、入金申請をしてやっと現金が受け取れる―と意外と手間がかかる。一方キャッシュは写真を「パシャ」で、即入金です。
売り先を持っていない
それは1つの圧倒的強み
買取った物の換金については、アプレとの提携のようにリユース企業との提携を今一番取り組んでいるところです。私たちは売る先を持っていない。しかし、どことでも付き合えるというのは、1つの圧倒的な強みだと思っていて。
提携数は今まだ数社ですが、商材によっては一番高い所で売ることもできます。私たちがメルカリやヤフオク!に出品してもいいわけですし、フレキシブルに現金化のフレームを組んでいくことができると考えています。
止まってしまった物の流動性を高めていきたい
二次流通のビジネスに携わるようになって思うのですが、一次流通に対して二次流通市場の規模が小さすぎる。これって伸びしろとポテンシャルでしかない。可能性だらけです。物を現金化するハードルを下げ、いくらでも買取れるというのは私たちが実証でき始めていると思うので、一次流通で止まってしまった物の流動性を圧倒的に高めていきたい。
既存の買取る・売るという仕組みと、私たちのステップって今までとは違う。それによって新しい規模のマーケットができるなら、これって生まれ変わった二次流通市場じゃないですか。一方で、今までの二次流通会社しか持っていない強みもあると思うので、そういった企業と協業させていただきながら、新しい市場をつくれたら面白いと思う。
今、売る人の色々な行動データを解析しているところです。それによって見えてきていることがいっぱいあって、新しいビジネス展開を考えています。それと、基本的には人を信じてサービス展開する事業なので、どのように私たちなりの与信を担保していくかということも進化させていきたい。
431号(2018/1/10発行)2面