トライゴ、質店の開業支援コンサル
2018年02月02日
「質店増えれば救われる人増える」
質店は質屋営業法に則り、モノを担保に融資をすることができる。質店のストックビジネス性に注目し、開業支援を行うのがトライゴ(神奈川県横浜市)だ。事業内容や今後の見通しについて、小原大輔代表に話を聞いた。
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質蔵の設置からノウハウまでサポート
トライゴ(神奈川県横浜市)は2016年5月に同社を立ち上げ、昨年は2件の質店の新規出店を支援した。
同社は開業に向けて、質屋営業許可申請などの書類の作成から、質物保管設備審査基準に則った質蔵の設置などをサポート。他にも店舗づくりや、業務ノウハウの研修などを行う。開業後も質流れ品等の販路の紹介や真贋判定の相談を受け付けるなどのサポートプランを用意している。
小原大輔代表は横浜の質店で7年間修業。古物売買などを経験後、質の七つ屋(神奈川県藤沢市)を開業。6年目を迎えている。このような経験から、「昔ながらの質店のスタイル」にこだわったノウハウやコンサルを提供できるのだと言う。
同社が質店の開業を勧める理由として、質預かりにより安定的な利息収入を得られることを挙げている。また、年利が最大109・5%まで認められているのも質店の特権。「この金利は質屋営業法により守られており、今後も変わることはないだろう」というのが同代表の見解だ。
5年で100店舗の開業支援を
5年で100店舗の開業支援をしたいと同代表は話す。来期はフランチャイズの展開も予定。開業への敷居を下げたい考えだ。
「質店が全国に増え、もっと多くの人に認知されれば、救われる人が増える」と同代表は語る。「例えば、生活保護で生活しているお年寄りが急な出費で電気料金が払えなくなることがある。夏であればエアコンが使えなくなり、最悪の場合、命にかかわる問題だ。このような場合でも、質店であれば指輪やテレビなど身の回りにあるものを質預かりすることで融資をすることができる」(同代表)。利子で借金額が膨れ上がることが無く、取り立てや信用情報の不安もないため利用者は安心だ。
近年、グレーゾーン金利の撤廃や総量規制などのあおりを受け、「ちょっとお金が足りない」という時に、消費者金融などで気軽にお金を借りるということが難しくなっている。こういった背景もあり、質店のシステムの潜在的需要が高まっていると同代表は話す。開業支援事業を通じて、地域のセーフティネットとしての質店の存在感を強めていきたい考えだ。
同社のコンサルで質店を開業する場合、費用の見積もりは1500万円〜が基本となる。ただし、コンサル費用300万円を除き、1500万円までの資金付けを可能としている(要審査)。個別の説明会も開催。現時点で月に3件ほど行っている。
・3つの収益構造
(質預かり・買取・リサイクル店)
・年利最大109.5%の利息収入
・一人でも開業可能
・地域のセーフティネットとして頼られる存在に
トライゴ 小原大輔代表
432号(2018/01/25発行)9面